最新記事

事件

集団セックス殺人、一転無実の理由

イタリア、アメリカ両国を巻き込んだ大騒動の末に、アメリカ人留学生の被告が逆転無罪を勝ち取った

2011年10月4日(火)13時57分
アレサンドロ・スペシャーレ

失われた4年間 無罪判決を聞いたノックスは法廷で泣き崩れた  Reuters

 アマンダ・ノックスは、2007年にイタリア・ペルージャで起きたイギリス人留学生殺害事件の被告として一躍有名になったアメリカ人女性。ノックス(当時20歳)とイタリア人の恋人ラファエル・ソレシト(当時23歳)は、ノックスのルームメイトだったイギリス人留学生メレディス・カーチャー(当時21歳)に集団セックスを強要して殺害した容疑で、09年12月に懲役26年の実刑判決を受けていた。

 だがイタリアの高等裁判所の陪審団は10月3日、ノックスとソレシトに逆転無罪の評決を言い渡した(ノックスが当初、別の男性を犯人と名指ししたことに対する名誉棄損罪については一審通り有罪となったが、禁固3年の刑期はこれまでの拘置期間で相殺される)。

 ノックスの弁護団のカルロ・ダラス・ベドヴァ弁護士はCNNに対し、ノックスは「できるかぎり早急に」イタリアを出国すると語った。「アマンダは釈放される。彼女は故郷に帰りたがっている。彼女は自分がメレディスの友人だったと常に語っていた」

 ニューヨーク・ポスト紙によれば、ノックスは「判決が読み上げられると泣き崩れた」という。

 一方、裁判所の前には判決に不服な人々が押し寄せ、数百台のテレビカメラが居並ぶ前で「恥を知れ!」と抗議の声を上げた。陪審員らは警察の護衛を受けて裁判所を後にした。

「真実を直視し、逆転判決を言い渡した勇気ある裁判所に感謝している」と、ノックスの妹であるディアンナ・ノックスは語った。

 被害者の遺族は次のような声明を出した。「司法の判断を尊重するが、一審の判決が突然覆った理由がわからない。イタリアの司法制度を今も信頼しており、いずれ真実が明らかになることを願っている」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、中東鎮静化へ活発外交 外相が欧独サウジと相次

ワールド

トランプ氏、ボンディ司法長官解任 エプスタイン疑惑

ワールド

マクロン氏、武力による海峡開放「非現実的」 イラン

ビジネス

FRB、不確実な経済に対応可能 中東戦争で見通し困
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受給年齢」
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的…
  • 7
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 8
    「一般市民に敵意なし」...イラン大統領が米国民宛て…
  • 9
    自国の国旗損壊を罪に問うことの深刻さを考える
  • 10
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中