最新記事

緊縮財政

終わりにはほど遠いギリシャ危機

当面の返済のめどは付いたが全借金を返せる見込みはほとんどない。デフォルトのとき、世界は痛みを避けられない

2011年7月6日(水)11時06分
デービッド・ケース(グローバルポストリサーチ・ディレクター)

死に体 ギリシャ議会の前で新たな緊縮財政法案に反対するデモを行う市民 Pascal Rossignol-Reuters

 市民が激しい抗議デモを繰り広げるなか、ギリシャ議会は先週、EUが要求していた緊縮財政法案を可決した。これにより、EUとIMF(国際通貨基金)による対ギリシャ追加支援として120億ユーロの融資が実施される見込みになった。7月中旬にギリシャ政府が借金を返済するための資金に充てられる。

 世界経済にとっては朗報だ。もし緊縮策が否決されていれば、2008年9月のリーマン・ショックと同じように金融危機の引き金を引き、世界経済を焼け野原にするところだったかもしれない。

 もしギリシャがデフォルト(債務不履行)になれば、市場はパニックに陥り、金融機関は互いにお金を貸さなくなっただろう。...本文続く

──ここから先は7月6日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年7月13日号をご覧ください。
<デジタル版マガストアでのご購入はこちら
<デジタル版Fujisan.co.jpでのご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください

今週のカバー特集は「本当は危ない世界経済」
アメリカも日本も週代わりで景況感が入れ替わる方向感のない世界経済が本当はどれだけ危ないか、先週辛うじてデフォルト(債務不履行)を免れたかに見えるギリシャを起点に読み解きます。
■ユーロを襲うギリシャ病拡大の温床
■ユーロ圏より危ない崖っぷち米財政
■マヒに陥った世界の経済政策

他にも
■オランダ名物の合法大麻店を守れ!
■銃もまともに撃てない弱体ドイツ軍の実態
■中国と争うフィリピンのしたたかさ、など
<最新号の目次はこちら

[2011年7月13日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 3
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中