最新記事

自動車

世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由

2010年11月19日(金)14時01分
ラビ・ソマイヤ

恐怖支配の理想的な装置

 イラクとアフガニスタンの両方でハイラックスを使用しているゲリラと戦った経験を持つ元イギリス軍特殊部隊員(現在も対ゲリラ戦の助言を行っていることを理由に匿名を希望)に言わせれば、「(ハイラックスが)愛用される理由は至って単純」だという。「スピードが出せて、故障せず、荷台に重火器を載せられる頑丈な車両の価値は極めて大きい」

 中東の紛争地帯を見てきたエグザムによれば、既にゲリラの間で多く用いられているという事実がハイラックスの地位をさらに確かなものにしている。「みんなが使っているので、交換部品が手に入りやすく、どこの整備士も修理の仕方が分かっている」

 前出の01年のニューヨーク・タイムズ紙の記事によれば、タリバンがアフガニスタンを統治していた頃、ハイラックスとランドクルーザーは「(タリバンが人々を)脅して、言うことを聞かせるための理想的な装置だった」。

 タリバンがハイラックスで辺りを走り回り、「足首の肌を見せている女性がいれば、飛び降りて殴り、ひげが短い男性がいれば、輸送用コンテナに閉じ込めて、所定の長さにひげが伸びるまで3週間監禁した。姦通を行った疑いや神を冒涜した疑いを掛けられた人物を車で引きずって、処刑場のサッカースタジアムまで連行することもあった」と、この記事は書いている。

 キルカランによれば、カエデの葉のマークが付いたハイラックスの中には、タリバンの手に渡ったものもあるはずだという。悪夢の歴史がピックアップトラックに乗ってアフガニスタンに戻ってこないことを願いたい。

[2010年10月27日号掲載]

MAGAZINE

特集:世界はこう見る日韓不信

2019-1・29号(1/22発売)

徴用工判決にレーダー照射......中国が台頭する東アジアで終わりなき争いを続ける日本と韓国への「処方箋」

人気ランキング

  • 1

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の悲劇

  • 2

    エロチックなR&Bの女神が降臨 ドーン・リチャードの新譜は...

  • 3

    「世界中が怒りを感じている」上位26人が下位38億人分の富を保有。富裕層があと0.5%でも多く税金を払えば、貧困問題は解決するのに

  • 4

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 5

    偶然ではない、日韓は「構造的不仲」の時代へ

  • 6

    ネイティブが話す「本物」の英語は世界の職場で通じ…

  • 7

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両…

  • 8

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 9

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 イン…

  • 10

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 1

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 インドネシア、違法飼育の容疑で日本人を捜索

  • 2

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の悲劇

  • 3

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 4

    エロチックなR&Bの女神が降臨 ドーン・リチャードの…

  • 5

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両…

  • 6

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」という…

  • 7

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 8

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 9

    タイ洞窟の少年たちは見捨てられる寸前だった

  • 10

    「お得意様」は気づいたら「商売敵」に 中国の猛追へ対…

  • 1

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国の果てしないアンチ旭日旗現象

  • 2

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 3

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の悲劇

  • 4

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非…

  • 5

    日韓関係の悪化が懸念されるが、韓国の世論は冷静──…

  • 6

    オーストラリア人の94%が反捕鯨の理由

  • 7

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 8

    アレクサがまた奇行「里親を殺せ」

  • 9

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

  • 10

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月