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アフガニスタン

米司令官更迭タリバンが高笑い

マクリスタルによるオバマ批判は「アメリカ敗北の兆候」とタリバン幹部

2010年6月28日(月)14時53分
ロン・モロー(イスラマバード支局長)、サミ・ユサフザイ(イスラマバード支局)

さらば敵将 マクリスタル更迭のニュースにタリバンもクギ付けとか Massoud Hossaini-Pool-Reuters

 米ローリングストーン誌とのインタビューでオバマ政権を公然と批判したアフガニスタン駐留米軍のスタンリー・マクリスタル司令官が6月23日、辞任に追い込まれた。このニュースにタリバンはクギ付けだ。「テレビやラジオで逐一追っている」と、かつてタリバン政権で閣僚を務めた幹部の1人は匿名を条件に語る。「マクリスタルとオバマの対立の話を聞くのは気分がいい」

 米軍内部の明らかな不服従と、それに伴う誹謗や中傷について、このタリバン幹部はアフガニスタンでのアメリカの敗北が近い証拠とみている。「米軍の将軍や司令官は負けを予感している。だから大統領を批判し、ジョークのネタにする」。タリバンはマクリスタルの後任のデービッド・ペトレアス中央軍司令官が6月15日、米議会上院での証言中に失神した映像もサイトにアップしている。

 マクリスタルの更迭を悲しむのは、カルザイ大統領だけかもしれない。アフガニスタン政権筋によれば、カルザイはカール・アイケンベリー駐アフガニスタン米大使と明らかに仲が悪い。「カルザイはマクリスタルを気に入っていた。アフガニスタン増派と戦費拡大を推進したからだ」と、タリバン幹部は言う。

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