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飲酒運転を激減させたサウスダコタ式

再犯者に3カ月以上の禁酒を強制する注目のプロジェクトとは

2010年9月14日(火)14時26分
キース・ハンフリーズ(スタンフォード大学医学部教授)、マーク・クレイマン(カリフォルニア大学ロサンゼルス校・公共政策大学院教授)

自己責任 1日2回の呼気検査は自腹なのも効果的 Justin Sullivan/Getty Images

 アメリカで飲酒運転の撲滅は容易ではない。検問や罰金額のつり上げ、飲酒前科者の車に飲酒探知機の搭載を義務付けるなどの対策にもかかわらず、飲酒運転絡みの死亡事故件数はここ10年でほぼ横ばいの状態。だが、例外といえる州もある。サウスダコタ州だ。

 同州では05年、年中無休の「禁酒プロジェクト」をスタートさせた。このプロジェクトは、飲酒運転の再犯者に最短3カ月の禁酒を言い渡し、その間1日に2回、警察官による呼気検査を義務付けるというもの。検査で飲酒が判明したり検査を拒否した場合は、その晩のうちに留置場行きとなる。

 成果は上々のようだ。同州の飲酒運転絡みの死亡者数は06年から07年にかけて33%減と、全国で最大の減少率を達成。さらにこのプログラムの参加者の再犯率は通常の半分に低下した。

 最近はノースダコタ州とモンタナ州も同様のプログラムを試験的に始め、ほかに少なくとも2つの州(とイギリスのロンドン)が導入を検討している。サウスダコタでは試験的に、家庭内暴力など飲酒絡みのほかの犯罪にも取り入れている。

 このプログラムでは1日2回の呼気検査の費用は対象者の自己負担。納税者に迷惑が掛からないというのも利点だろう。

[2010年9月15日号掲載]

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