最新記事
メタ

セクハラ、隠ぺい工作、中国びいき...元フェイスブック社員がメタ経営陣の衝撃の実態を暴露

The Book Meta Doesn’t Want You to Read

2025年4月23日(水)15時40分
ニティシュ・パーワ(スレート誌ライター)

経営陣の人間性を告発

メタが本書の出版を恐れた理由は、CEOのマーク・ザッカーバーグとサンドバーグの人間性を非難したせいだろう。ウィンウィリアムズは2人を、本来の姿とは懸け離れた公的イメージを与えられ、巨大な虚像を維持することに苦心する役員室の「トムとデイジー」として描き出す。


ザッカーバーグは詐欺罪などで禁錮25年の刑に服役中の暗号資産取引所FTXの創業者サム・バンクマンフリードとトランプの混合物として描かれる。カジュアルウエアを好み、支持者数にこだわり、社会規範やエチケットを憎み、計画より衝動を重んじる。後者の好例は、バラク・オバマ元大統領からフェイスブックの誤情報問題で叱責された後、ザッカーバーグが「大統領選に立候補しない」と恨み節満載で喧伝したことだ。

サンドバーグはウィンウィリアムズから、17年のトランプ就任式翌日の反トランプや女性の権利を掲げた「女性たちの行進」の歴史的な参加者数を聞いた後、「すぐに退屈そうな顔をして」、「話題を週末の予定に変えた」。

要するに、「彼女は全く気にしていないように見えた」のだ。つい先日、「ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で女性のリーダーシップについて」話したばかりなのに、気にしていたのは「(トランプ夫人の)メラニアが何を着ていたか」だった。

社用ジェット機で飛び回り、世界的サミットに出席していたフェイスブックのウィンウィリアムズが、超大物の元同僚の欠点や偽善、無知さを批判する。『ケアレス・ピープル』が真価を発揮する場面だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

7&IHD、複数のM&A・連携含めた取り組み進めて

ワールド

APECサミットが開幕、韓国大統領「共通の繁栄へ協

ビジネス

中国製造業PMI、10月は49.0に低下 7カ月連

ビジネス

デンソー、通期利益予想を下方修正 品質引き当て織り
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中