最新記事
宇宙

NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険な天体」とは?

NASA Tracking Building-Sized Asteroid Nearing Earth

2025年4月14日(月)17時30分
メリッサ・フルール・アフシャー

NASAは4月4日、「2025 GH」と呼ばれる小惑星を注視していると発表した。航空機ほどの大きさのこの小惑星は同日、時速4万5991マイル(約7万4000キロメートル)ほどで地球付近を通過した。

こうした小惑星のほとんどは、地球の近くを通過していくだけで、さほど注目されない。しかし、2024年12月27日に発見された小惑星「2024 YR4」は大きく報道された。わずかではあるが、地球に衝突する恐れがあったためだ。

2024 YR4は発見後、綿密な監視下に置かれた。2025年に入って厳密に観測した結果、「この大きさの小惑星としては、衝撃確率が史上最大」であることが判明したためだ。

2月18日時点では、2024 YR4は、2032年に3.1%の確率で地球に衝突する可能性があるとされた。NASAはその際、「2024 YR4が2032年12月22日時点で位置すると思われる範囲は地球から遠ざかった」と述べていた。

しかし、2月24日になるとNASAは、「地球近傍小惑星である2024 YR4が、近い将来に地球に衝突するリスクを大幅に引き下げた」と発表した。

小惑星は、およそ46億年前に太陽系が形成された当初の残骸で、空気を含まない岩石質でできている。その大半はアステロイドベルト(火星の公転軌道と木星の公転軌道の間に存在する小惑星帯)で見つかっているが、なかには、4月11日に地球付近を通過した2023 KUのように、軌道の影響で地球に接近する場合もある。

こうした小惑星は、大きさがまちまちであり、観測することによって、太陽系の成り立ちに関する貴重な見識が得られる。また、小惑星が地球に及ぼし得る潜在的リスクを知る手掛かりにもなる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがウクライナを大規模攻撃、3人死亡 各地で停

ワールド

中国、米国に核軍縮の責任果たすよう要求 米国防総省

ビジネス

三井住友トラスト、次期社長に大山氏 海外での資産運

ビジネス

台湾の11月輸出受注、39.5%増 21年4月以来
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中