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経済成長しても「技術はない国」だったはずの中国は、なぜDX大国になれた?

2022年2月9日(水)17時23分
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)

もともとメールよりスマホのメッセージアプリがビジネス・コミュニケーションの主流だったこともあり、これらのツールは抵抗感なく普及している。

「中国速度(中国スピード)」という言葉があるが、とかくビジネスでの速さが求められるお国柄だけに、連絡に対する平均返信時間を集計する機能なども人気だ。自社のERPシステム(基幹システム)と連携し、社内情報がほとんど全てスマホから確認できるようになっている。

こうした事例を見ると、中国のきらびやかな成果に目が奪われるが、DXの前提に徹底的なデジタル化という土台があることは忘れてはならない。アリババグループ傘下の物流ソリューション企業「菜鳥(ツァイニャオ)」を取材したときのこと。

同社はロボットアームによる仕分けや自動運転配送車などの先端的ロボティクスを導入しているが、担当者は「そうした機械は外部から購入できる。重要なのはデータだ」ときっぱり言い切った。

菜鳥は中国全土の住所データベースの独自整備、複数の物流企業が共有可能な電子宛名表の標準策定などの事業を手掛けることで、物流の行程をデータ化した。複数の企業が共同で使うデータインフラこそが核心で、写真映えするロボットや配送車は二の次三の次なのだ。

派手な成果だけを目指すのではなく、まずはどこまで愚直にデジタル化を貫徹できるか。DXの成功はデジタル化という足腰をどこまで鍛えられるかに懸かっている。それが中国の教訓だ。

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