最新記事

安全保障

政府、機密要する情報はLINE利用停止 コロナワクチン予約システムは継続=加藤官房長官

2021年3月29日(月)17時59分
LINEのロゴ

加藤勝信官房長官は、LINEの提供するサービスに関し、機密性を要する情報については政府機関の利用をいったん停止すると発表した。写真はアプリで表示されるラインのロゴ。2014年9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

加藤勝信官房長官は29日午後の会見で、LINEの提供するサービスに関し、機密性を要する情報については政府機関の利用をいったん停止すると発表した。

加藤官房長官は、情報セキュリティー対策を遵守する観点から「政府において機密性を要する情報を取り扱うLINEのサービス提供はいったん停止する」と述べた。その上で政府内にタスクフォースを立ち上げ、政府としての判断や考え方を示すことにしたと説明した。

一方、機密情報を取り扱わない政府機関によるLINEサービスの利用は、許容するとした。また、LINEが自治体向けに開発中の新型コロナワクチン予約システムについては、全てのデータを国内で保存し、海外からのアクセスを遮断するとの説明がLINEからあり、開発を継続しても問題ないとの見解を示した。

LINEの社長でZホールディングス(ZHD)の共同最高経営責任者(Co-CEO)の出沢剛氏は23日、対話アプリでのトーク上の動画・画像などのデータの保管場所を韓国から国内に移転すると表明していた。

一方、新型コロナウイルス感染の再拡大傾向が顕著になっている大阪府の吉村洋文知事が、週内にもまん延防止等重点措置(まん防)の適用を国に要請したいと述べたことについて、加藤官房長官は報道内容は承知しているとした上で「大阪府からの要請は行われていない」と指摘。感染状況や医療提供体制などの情報把握で連絡を取り合っているとした。同時にまん防の発令は首相が総合的に判断するとも述べた。

また、現状は第4波再来の兆しとの指摘もあるとの質問に、加藤官房長官は「大きな波にしないよう自治体とよく連携していく」と語った。

エジプトのスエズ運河で起きた大型コンテナ船「エバーギブン」の座礁事故に関し、加藤官房長官は、船主が発注した大型タグボートによってけん引され「船体は運河に沿って20度ほど回転したが、船体の一部は座礁した状況で、離礁に至っていないとの報告が国交省に来ている」と述べた。

(田巻一彦)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国人富裕層が感じる「日本の観光業」への本音 コロナ禍の今、彼らは何を思うのか
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中