最新記事
腸疾患

注目高まる糞便移植、健康な便が腸疾患に効く?

THAT DOO-DOO THAT YOU DO SO WELL

2020年5月1日(金)15時00分
ジェシカ・ファーガー

一方、移植用の便を保存する糞便バンク「オープンバイオーム」のザイン・カッサムは、PETAのキャンペーンに首をかしげる。確かに食事内容は便の質に影響を与えるが、それはある人が便のスーパードナーになり得るかどうかを判定する決定打にはならないからだ。「完全菜食の34歳だろうと、ハンバーガーに目がない22歳だろうと、CDIとの闘いに役立つ健康なドナーなら誰でも歓迎する」

食生活と便の関係は微妙

オープンバイオームは便のドナーを募集・選抜し、臨床での使用に備えて便を冷凍保存している。しかし、糞便移植という治療法についてはまだ未知な点が多い。

「CDIの患者には、健康体であればどんな人の便でも有効らしい。しかし潰瘍性大腸炎などでは、ドナーによって効果に差が生じるという報告もある」と、カッサムは言う。

適切なドナーを見つけるのは難しい。カッサムの調査では、ドナー候補者459人中、臨床検査に合格して便を提供する段階まで来たのは27人にすぎなかった。

さらにカッサムは登録ドナーの食生活を分析し、結果を平均的アメリカ人のそれと比べてみた。すると「食物繊維がやや多いという点を除けば、登録ドナーと平均的アメリカ人の食生活に大差はない」ことが分かったという。肉食に罪はないのだ。

<本誌特別編集ムック「世界の最新医療2020」より>

【関連記事】年代別:認知症のリスクを減らすために注意すべき危険因子
【関連記事】薬の飲み忘れを防ぐ、驚きの新送薬システムとは?

202003NWmedicalMook-cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

SPECIAL EDITION「世界の最新医療2020」が好評発売中。がんから新型肺炎まで、医療の現場はここまで進化した――。免疫、放射線療法、不妊治療、ロボット医療、糖尿病、うつ、認知症、言語障害、薬、緩和ケア......医療の最前線をレポート。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

情報BOX:米とイラン和平交渉、知っておくべき主な

ワールド

米とイランの交渉団がパキスタン入り、レバノン停戦な

ワールド

イラン最高指導者、顔と足の負傷回復途上 主要問題の

ワールド

アングル:「オルバン長期政権後」に賭ける投資家、ハ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中