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日本人が知らない 自動運転の現在地

自動運転で都市はこんなに変わる 駐車場は48%削減──ボストンの挑戦

MAKE BOSTON MORE EQUITABLE

2019年2月14日(木)11時25分
クリス・カーター(ボストン市長室共同室長、交通政策担当)

こうした地域では、移動システムの改善が必要になる。そこにAVを使えないだろうか。答えはきっとイエスだ。広い道路を造ってバスをより速く走らせ、通勤電車の本数を増やし、自転車レーンと安全に連結させるのは問題解決の一環にならないだろうか。これがイエスなのは確実だ。

ボストンの計画に必要なのは、より多くの市民が1人しか運ばないAVから降りて、歩いたり(ボストンは「ウオーキングシティー」と呼ばれるほど徒歩通勤が可能)、自転車に乗ったり、公共交通機関を使ったりすることだ。私たちにはこの目標を達成するための政策、プログラム、インフラ整備計画がある。AVや配車サービスの企業と協力し、人々の疑問や考えを尊重しながら、市民と公共部門に新しいテクノロジーの構想を広めたい。

私たちは年配者や移動困難者がAVを利用できることを念頭に置いて、試験計画を立てている。ボストンは連邦政府や周辺都市と協力して行う実証実験の合意文書の中で、輸送を公平にすることをうたっている。

計画はスタートしたばかりだが、いずれは市民のための新しい輸送システムの枠組みとなり、駐車場は市民のためのスペースに生まれ変わるだろう。この政策の実現に向けて、歩みを止めてはならない。

<2019年2月19日号掲載>

※この記事は「日本人が知らない 自動運転の現在地」特集より。詳しくは2019年2月19日号(2月13日発売)をご覧ください。

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