最新記事

インタビュー

予約から診察・会計までワンストップのオンライン診療「CLINICS」

2017年8月25日(金)18時44分
WORKSIGHT

オンライン診療を活用して、会社ぐるみで健康増進に取り組む

健康志向の高まりから、オフィスでもウェルビーイングの流れが出てきたことはいいことです。特に禁煙は「あいつがやめたから俺もやめる」というふうに波及しやすいものなので、そういう意味でも職場での取り組みは効果が見込めます。オンライン診療を活用して、会社ぐるみで禁煙対策に取り組むケースも出てきました。

生活習慣病やうつにしても、個人や家庭の単位でなく、職場の単位で治療や回復をサポートしていく体制の構築が望まれます。特にうつは会社に言いにくい空気もありますし、就業時間と診療時間が重なると対面の受診がしづらいので通院が継続しにくくなってしまう。その点、オンライン診療なら仕事の休憩時間に医師とコミュニケーションを取ることも可能です。

前編でオンライン病気事典「MEDLEY」について話しましたが、病気や治療法などの網羅的な医療情報を入り口として、予防医療、ヘルスケアまで広げていけたらいいですね。広げていく方がより多くの人に接してもらうことにもなり、医療がもっとカジュアルなものになります。そのための1つの手立てがオンライン診療だととらえています。

職域単位で医療に向き合うことで、例えば健康診断で要再検査とされても受診しない人は「カッコ悪い」と言われちゃう、それくらいになれば面白いですね。オンライン診療を使えば、時間がないとか面倒だとかいう言い訳が通用しなくなるわけですから。それくらい医療が身近になることで、健康を維持しようという主体性が生まれてくるのだと思います。

wsToyoda170825-2.jpg

オフィスでチームメンバーと談笑する豊田氏。社内は風通しのよい雰囲気があふれている。

医師としての経験が課題に立ち向かわせる

私は医師・コンサルを経てメドレーに参画していますが、他のメンバーもさまざまな業界から集まっています。IT、業務システム開発、銀行、コールセンター、官公庁、アパレルなど、バックグラウンドはバラエティ豊かです。

世の中のためになることをやりたい、それがダイレクトに感じられることが楽しいと思う人がこの会社に集まっているんです。私の仕事の一つは、会社としてどんな課題に取り組めば本当に世の中のためになるのか、医師としての信念や経験を元に医療界の将来を見据えた方向性を出していくことです。解くべき課題と解決への道筋を考えるのに、医師をしていた経験は当然ながら大きく役に立っています。

また、医療現場で多くの課題をじかに経験していたので、それを解決しようと仕事に燃えるんですよね。働くためのガソリンが要らないんです(笑)。例えばコンサル時代は高額な報酬や長期休暇といった見返りがガソリンになりがちですが、今はいらない。やっぱり自分がやりたいことだし、自分が本当に燃えるところで活動していますからね。社内には自分で燃えることができる人もいるし、火があれば自分もどんどん燃えることができる人も入る。いずれにせよ、私が社内の消えない火として推進力を生み出し続けたいと思っています。

【参考記事】「休みたいから診断書をください」--現役精神科医「うつ病休職」の告発

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米主要港ロサンゼルス、5月の輸入は前年比9%減 対

ワールド

ベトナム、米との貿易交渉進展 主要な問題は未解決

ワールド

ベトナムがBRICS「パートナー国」に 10番目の

ワールド

トランプ米政権、入国制限に36カ国追加を検討
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中