熱に頼らないペットボトル無菌充填とは? 「グリーンアセプティック」が変える、次世代の飲料製造プロセス
20年前の教訓が生んだ、新時代の飲料づくり

このプロセスは、約20年前に飲料工場で超小細菌がフィルターをすり抜けた予期せぬトラブルの教訓をもとに生まれたものだという。
同社技術開発部の早川睦氏は「当時の経験を無駄にせず、菌の特性や挙動を徹底的に解析した知見が、今回の『グリーンアセプティック』の開発に活かされました」と語る。
2024年には、「グリーンアセプティック」初号機が某飲料工場に導入され、商業生産を開始。CO₂排出量およびエネルギー消費量を最大80%削減する効果が示され、経済産業省資源エネルギー庁の「先進設備・システム」支援制度の支援対象設備として採択された。
また、DNPが展開するPETボトル無菌充填システムは、ボトルをその場で成形し、無菌の常温下で飲料を充填する連続工程を採用している。
これにより、ボトルの耐熱性を高める必要がなくなり、軽量化や省資源化が可能となった。さらに、高温・長時間殺菌が不要なため、素材本来の風味や栄養を損ないにくいという利点もある。
一方で、全体として加熱工程は削減されているものの、濃縮液の高濃度加熱殺菌では焦げ付きや風味への影響が課題として残る。
これに対し、同社は新たな濃縮方法や加熱方法(ジュール加熱・直接加熱)を組み合わせ、プロセスの最適化を模索している。
今後は、国内市場にとどまらず、中国や東南アジアの飲料メーカーにも展開を広げ、2030年度までに累計200億円の売上を目指す。
早川氏は「温室効果ガス(GHG)排出の削減とエネルギー効率の向上を両立させて、安全でより美味しい飲料の創出に貢献していきたい」と語る。
「グリーンアセプティック」は、SDGsの「6.安全な水とトイレを世界中に」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」などの目標達成にも資する取り組みである。
熱に頼りすぎない発想で環境負荷と品質を両立させる本技術は、次世代の飲料製造における新たな選択肢として、ひいては飲料業界全体のスタンダードとなることを目指し、今後いっそうその存在感を高めていくはずだ。
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