人工斜面(法面)の緑化を外来種から在来種に転換――東興ジオテックが描くグリーンインフラの新標準
「発芽不良」から始まった業界初の試み

同社はまず、RSセンターで植物種ごとの最適条件による中長期貯蔵を行い、「早期発芽力検定法」により約1週間で発芽力を評価して品質を確認。
そして、自動計量袋詰め装置で配合設計どおりに正確に計量・袋詰めを行う。
この体制は、在来種による緑化を事業化した初期に外部調達の在来種子で発芽不良が相次いだという教訓を踏まえて構築された。RSセンター所長の小野幸菜氏は言う。
「種子の調達はもちろん、その種子の貯蔵と品質検査を独自に行うことなくして、生物多様性に配慮した法面緑化に転換することはできないと判断し、自社で種子の貯蔵施設と品質管理システムを構築するという業界初の試みにチャレンジすることを決意しました」
1996年にRSセンターの前身となる研究所を設立し、種子に関する研究開発に着手した東興ジオテック。
今後は、国内産在来種の調達体制の拡充、環境省の指針や国土交通省の手引きに示される「準備工」(種子調達の準備工程)の設計段階への実装、および施工の省力化・省人化の早期実用化にも取り組んでいく。

日本政府の「生物多様性国家戦略2023-2030」には公共工事に在来種を使うべきという考えが示されているが、依然、外国産にもかかわらず「在来種」として扱われる植物が多数を占めているのが現状だ。
発注者を含む関係者の認識転換と、同社の技術が噛み合い、業界全体に広がっていけば「ネイチャーポジティブ2030(自然再興に向けた国際的目標)」に向けた前進が見込めるだろう。
外来種頼みの「速さ」から、在来種で守り在来種で戻す「確かさ」へ――東興ジオテックの取り組みは、在来種子の品質を起点に防災と自然再生を同時に進める、SDGs時代にふさわしいグリーンインフラの実装モデルだ。
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