最新記事
SDGsパートナー

大切な服の寿命を延ばして、もっと長く着る...hap「カバロスランドリー」のサーキュラーファッション

2024年11月26日(火)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
hap株式会社の「カバロスランドリー」サービス

「カバロスランドリー」サービス

<供給過多が問題となっているファッション業界に革新をもたらすhap株式会社の「カバロスランドリー」サービス。衣類に多機能性を付与して、長く着るという新たなソリューションの原点は、世界に衝撃を与えた大事故だった>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

手持ちの服を多機能に生まれ変わらせる

ファッション産業は近年、環境負荷が非常に大きいと指摘されている。大量生産、大量消費、大量廃棄が常態化し、製造にかかる資源やエネルギーの使用は増える一方で、服のライフサイクルは短くなっている。この悪循環を断ち切るため、リサイクルや環境に配慮した素材の使用など、持続可能なファッションへの取り組みが広がってきた。

そうした中、アパレルベンチャーのhap株式会社が開始したのが、手持ちの衣服に多機能な快適性を付与し、その寿命を延ばす、新しいリユース・アップサイクルのサービスだ。

同社が開発した「COVEROSS(カバロス)」は、光触媒などを応用し、抗菌、消臭、UVカット、汗じみ軽減、毛玉防止など30以上の機能の中から必要な機能を選び、生地や製品に一度に付与することができる革新的な技術だ。「サーキュラーファッション」を促進するこのテクノロジーは、第11回技術経営・イノベーション大賞で内閣総理大臣賞を受賞するなど、高く評価されている。

第11回技術経営・イノベーション大賞で「カバロスのサーキュラーファッション」が内閣総理大臣賞を受賞

第11回技術経営・イノベーション大賞で「カバロスのサーキュラーファッション」が内閣総理大臣賞を受賞

これをさらに発展させたのが、2024年4月に本格的にスタートした「カバロスランドリー」サービスで、手持ちの服にカバロスの機能を付与することができる。

利用方法はシンプルだ。スマートフォンやパソコンから申し込み、希望する加工を選んで衣類を送ると、約1カ月後には生まれ変わった服が手元に戻ってくる。愛着のある服がより快適になり、長く着続けることができるのだ。

加工のタイプは3つあり、吸水拡散、消臭、抗菌防臭、UVカットの「ブリーズプラス」、撥水、防汚、抗花粉、速乾の「プルーフ」、透け防止、汗じみ軽減、遮熱の「アンティシアー」から選ぶ。衣類だけでなく、ベットリネンやタオルなど、幅広いアイテムに適用することできる。品質や耐久性はもちろんのこと、機能付与時の水使用量を95%削減するなど環境にも配慮している。

この事業は製品寿命を伸ばすサービスを実現するため繊維製品の修理や検品などを行う株式会社ファッションクロスフルシマ(埼玉県羽生市)との協業でスタートした。今後は冷感や温感、防虫など機能性の種類を増やしていく準備を進めている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド、米通商代表と16日にニューデリーで貿易交渉

ビジネス

コアウィーブ、売れ残りクラウド容量をエヌビディアが

ワールド

米軍、ベネズエラからの麻薬密売船攻撃 3人殺害=ト

ビジネス

米アルファベット、時価総額が初の3兆ドル突破 AI
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中