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全人類に「金融包摂」を...「民間版世界銀行」を目指す五常・アンド・カンパニーの「目標」

EQUAL CHANCE FOR ALL

2024年4月11日(木)14時50分
澤田知洋(本誌記者)

入山章栄

五常の強さは創業者で投資銀行出身の慎泰俊とその経営チームではないだろうか。慎とは個人的にも知り合いだが、法律的には無国籍といえる朝鮮籍という出自もあって「無国籍人」として世界中どこへ行っても溶け込んで現地の課題を把握できる能力がある。また、さまざまな不自由な思いをしていることから世界の不自由を取り除きたいという常人にはない高い志もある。だから彼は自分が五常で掲げたビジョンと、そのために何をすべきかについて「腹落ち」しているし、一緒に働くチームにもうまく説明して腹落ちさせることができる。目的を腹落ち・納得させて実行に移すプロセスを経営学で「センスメイキング理論」という。今の日本の企業に最も欠けているのが、働き手の腹落ちだと思う。

──解説:入山章栄(早稲田大学大学院経営管理研究科、早稲田大学ビジネススクール教授)

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