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疲れが抜けない人ほど「丁寧」をやめている―禅が教える疲れない休息術

2026年1月27日(火)11時57分
枡野 俊明 (曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー*PRESIDENT Onlineからの転載 )

言葉で説明し尽くせない坐禅の深遠な世界

坐禅とは、正確に説明すると、次のような意味になります。

「眼・耳・鼻・舌・身・意の六つの感覚器官(六根)と、それにより感知される色・声・香・味・触・法(六境)の意識の世界を超えてひたすらに坐り、自身の内なる仏性と一つになる行」

こう見ると、なにやら難解にも思えますが、そもそも坐禅の深遠な世界は、言葉で説明し尽くせるようなものではありません。

ですから、みなさんは「ちょっと座ってみようかな」程度の軽い気持ちで始めていただいて大丈夫です。


ただその際、二つほど押さえておいてほしい坐禅のポイントがあります。

ポイントは第一に、「姿勢を正して座る」ことです。

あぐらをかいた状態から両足を組み(結跏趺坐)、その足の上で手の平を上にして両手を重ね、上半身を立てます。

その際、横から見て背骨がS字を描き、尾てい骨と頭のてっぺんが一直線になるようにしましょう。

第二のポイントは、「意識を自分の内側に集中させる」ことです。

ゆっくりと呼吸をしながら、視線を一メートルほど先に落とし、そこをぼんやり眺めるのがコツ。半分眼を閉じた状態(半眼)になるので、外界の刺激の多くをシャットアウトして、意識を自分の内へ、内へと向けやすくなります。

「疲れ知らずの心身」を養う坐禅のコツ

あとは、頭のなかにさまざまな思考が浮かんでも、どんどん流していく感覚で、ひたすら座り続けるのみ。結果として、脳が休まり、心も整います。

坐禅は本来、お線香一本が燃え尽きるまで、40分くらいかけて行なうものですが、忙しいみなさんは10分、20分程度でもいいでしょう。

短時間でも毎朝晩続けていると、朝は心身の緊張がほぐれてスムーズに"活動モード"に入れますし、夜は悩みや不安が消えてぐっすり眠れるようになります。

ただし、最初から自己流でやってはいけません。本やビデオ教材などを参考にすれば簡単にできそうですが、これがなかなか......。一度、お寺の坐禅会などに参加して、正しい姿勢を教えてもらうことをおすすめします。

やってみるとわかりますが、坐禅をすると、気持ちがすーっと落ち着きます。朝晩以外に一日何回でも、心がざわつくときなどに座ってみるといいでしょう。

また、オフィスの椅子に腰かけて行なう「椅子坐禅」という方法もあるので、仕事の合間にも坐禅をすることは可能です。坐禅によって心の穏やかさを保つことができれば、「疲れ知らずの心身」を養うことができるでしょう。

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