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クマに9回襲われて生還した専門家が警告する、首都圏「クマ出没」要注意エリア

2025年11月18日(火)14時27分
ダイヤモンド・ライフ編集部*DIAMOND Onlineからの転載
首都圏「クマ出没」要注意エリア

orangefish -shutterstock-

<首都圏で今後「クマ出没」が懸念されるエリアの実名を緊急提言。クマに9回襲われて生還した識者によると、秋が深くなるほど、力の強いクマが市街地に降りて人と接近する可能性が高まる...>

クマ被害が深刻だ。犠牲者が過去最多を更新中。要警戒のエリアとは、一体どこなのか――。

市街地の庭やスーパーにもクマが出没する時代 首都圏で「要注意エリア」はどこ?

今年度のクマの犠牲者が計7人となり、過去最多を更新した。地域別では北海道と岩手県でそれぞれ2人、宮城県、秋田県、長野県でそれぞれ1人が犠牲になった。また、4~9月末時点で重軽傷のけが人を含むクマの被害者は、全国で計108人にも上っている。

人が多い都市部の住宅街でクマが目撃されるニュースも、もはや珍しくない。先述の速報値が公表された直後、16日には札幌市中央区の住宅の庭にクマが出没した。発見した男の子は、「クマって叫んでお母さんに教えた」などと取材に答えている。近隣の小中学校では臨時休校になるなど、クマの出没は一般市民の生活を脅かしている。


1週間ほど前の10月7日には、群馬県沼田市にある営業中のスーパーマーケットにクマが侵入し、買い物をしていた男性2人が襲われ背中や手足にけがを負った。

「クマは本来、臆病な性格であり、人に対する警戒心も強いとされる」と語るのは、日本ツキノワグマ研究所所長の米田一彦氏だ。にもかかわらず、なぜ近年クマは山中から人里に降り、人間を襲い始めたのか。

米田氏は秋田県立鳥獣保護センターに勤務し、1986年以降はツキノワグマの研究に専念、89年に同研究所を立ち上げたクマの専門家だ。加えて、米田氏は調査などで遭遇・捕獲したクマに9回襲われ、そのたびに生還した稀有な経験を持つ。有効なクマ対策について身をもって知る、まさにスペシャリストだ。

米田氏によれば「クマが市街地に出てくる順序」があるそうだ。9月、10月、11月では、クマが人間の住むエリアに降りる目的も異なるのだという。

また、今年はクマの目撃情報が東京都内の八王子市、あきる野市、青梅市、日の出町、奥多摩町、檜原村からすでに210件超も寄せられている。神奈川県や埼玉県でもクマの出没が増えている。そこで、首都圏でクマが出るかもしれない「要注意エリア」について、米田氏の最新の見解を聞いた。

秋が深まるごとに力を持つクマの特性を踏まえて、クマのプロが出没を懸念する首都圏のエリアとは、どこなのか――。

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