最新記事
食事

便秘も脂肪肝も防ぐ! 医師が教える食前に飲むべき「最強の飲み物」とは

2025年9月19日(金)10時16分
尾形哲(肝臓外科医)*PRESIDENT Onlineからの転載

1.5Lの水で便秘解消! 肝臓の活力をアップ

さらにもう1つ、便秘を解消し、肝臓に活力を与える「とっておきの方法」を紹介します。

それが、「1日1.5Lの水を飲む」こと。体重増加を防ぐために水分補給を制限する人がいますが、それはかえって逆効果です。便も硬くなって便秘を助長します。


私たちの体の55〜60%は水分が占めています。とくに血流が豊富な肝臓には水分が多く含まれますが、脂肪組織の水分含有率はおよそ33%と低くなっています。つまり、体脂肪が増えるほど、体全体の水分割合は下がっていくのです。

さらに、肝臓に脂肪が蓄積すると、実質部分が圧迫されて血流が減り、単位体積あたりの血流量も低下します。その結果、肝臓内の水分含有量も減少し、「脂肪肝の肝臓」は、本来の「みずみずしさ」を失っていくのです。

忙しくて水分を摂取する時間がない、水を飲んだら太りそうという理由で水分摂取量が少ないと、体は脱水状態となって、代謝機能は低下します。その結果、エネルギーを消費しにくい「太りやすい体質」になってしまうのです。

成人は1日で平均、尿や便から1.6L、呼吸や汗から0.9Lの合計2.5Lほどの水分を失います。一方で、食事から約1.0Lの水分を摂取でき、体内で作られる水が300mlほどあるため、摂取すべき必要最低限の水分量は1.2Lになります。

そこで、食事で摂る水分とは別に1日1.5Lを基準にこまめに水を飲みましょう。具体的には、朝起きたらコップ1杯200ml、そのほかに午前中で500ml、午後に500ml、入浴前後にコップ1.5杯300mlの水分摂取をするのが理想です。

食前に水を飲む「プレローディング」が最強の「肝活」

水の飲み方としては、食前に水を飲む「プレローディング」を習慣にしましょう。プレとは「事前」、ローディングとは「補給」を意味し、「水分を事前に補給する=食前に水を飲むこと」になります。

食事で体内の塩分濃度が上がると、体は水分不足と判断して飢餓状態の危険信号が出ます。すると、飢餓に備えて脂肪をため込もうとするシステムが働くのです。

だから、食事によって塩分濃度を上げすぎないように水を飲んでおけば、余計な脂肪の蓄積も防げます。しかも、食前に水を飲めば満腹感が早まるので、食事量を減らす効果も期待できます。

水を事前に飲むことで空腹感が低下し、次の食事までの間食を減らしやすいという報告もあります。また、水を飲むと代謝効率が一時的に上がってエネルギー消費が増加し、食べても脂肪を蓄積しにくい体質に変化するといううれしい効果もあります。

ゼロカロリーでお金もかからず、痩せやすい体質になれる「プレローディング」を、肝活ルーティンとして取り入れてください。

newsweekjp20250918020258.jpg尾形哲『肝臓から脂肪を落とす食事術【増補改訂版】』(KADOKAWA)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

金融政策巡る次期FRB議長の訴追は「大統領次第」=

ワールド

ロシアとウクライナ、捕虜交換で合意 三者協議2日目

ワールド

米ロ、新START当面順守で合意間近と報道 ロ報道

ワールド

米公務員制度、1世紀ぶり大改革 大統領が5万人の人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 8
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 9
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 10
    日本経済低迷の主因である「空洞化」をなぜ総選挙で…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    日本はすでに世界有数の移民受け入れ国...実は開放的…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中