最新記事
運動

ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法

2025年7月29日(火)10時25分
上村理絵(理学療法士)*PRESIDENT Onlineからの転載

「こんなんじゃ歩けないな」と言っていたが...

ケガや病気が快方に向かえば、寝たきりを改善することも、その後に寝たきりを予防することも十分に可能だといえます。しかも、それは、単純に年齢で決まるものでもありません。たとえば、鈴木さん(仮名)という男性は、今年の初め、脳卒中を患いました。

病状が落ち着いてからも体にまひが残り、2月からの3カ月間は歩こうとしても転倒ばかりしていたそうです。



実際、私たちの施設に通い始めた当初は、「こんなんじゃあ、もう俺、歩けないな......」などと、弱音を漏らされることもありました。

しかし、もともとジムで体を動かすことにも慣れており、熱心にトレーニングマシンなどで機能向上訓練を続けた結果、普通に歩くことのできる日がずいぶんと増えたのです。「こんなんじゃあ俺、歩けないな......」と感じていらっしゃったときに、以前と同じように歩けるようになることをあきらめて、機能向上訓練に取り組まず、外出を控えてばかりいたら......。

鈴木さんは、体のバランス感覚を取り戻すことなく、筋力は衰える一方で、今ごろは普通に歩けるどころか、ほとんどの時間をベッドの上で過ごしていたかもしれません。

現在の鈴木さんの姿を見れば、普通に歩けるようになるか、寝たきりに近づくかの分かれ道で、彼が最善の判断を下されたのだとわかります。

「老化」と「加齢」は別物

寝たきりになるのは、決して「年だから」ではありません。

そればかりでなく、最近では、「年だからといって、必ずしも老化するとは限らない」ということさえ、明らかになりつつあるのです。

「筋肉量を測定してみたら俺、30代並みの筋肉量だって。もう50代なのに、すごくない?」

などと、自分の測定結果に気をよくした経験はありませんか?

あるいは、周囲の人から、「私、まだ30代なのに、血管年齢を測ってみたら、60代って言われたんだけど。ひどくない?」といった言葉を聞かされた経験がある方もいるかもしれません。

一言でいうと、前者は老化が進んでおらず、後者は老化が進んでいるということになります。つまり、老化は「可逆的」、わかりやすくいうと、一定に進むとは限らず、場合によっては後戻りすることができるもので、その人の努力次第で進んだり、進まなかったりする現象なのです。

「でも、実際に、年はとりますよね?」

確かに、人は生まれてから亡くなるまで、一定の方向に年をとっていきます。年をとること、「加齢」は「非可逆的」で、いくら努力しても、1歳でも年が減ることはありません。つまり、まず、「老化」と「加齢」を別物として考える必要があるのです。

「加齢」は避けられない一方で、「老化」は予防したり、進行を遅らせたりすることが可能です。そして、「老化」することを最後まであきらめなければ、回避できる寝たきりもたくさんあると感じています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=

ビジネス

アングル:中国「二線都市」が高級ブランドの最前線に

ワールド

焦点:トランプ氏のミサイル防衛構想、1年経ても進展
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 5
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 6
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中