最新記事
健康

健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?

2025年5月6日(火)10時00分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

4 減量のためでなく、最良の健康のために食べよう

ここ何年かのあいだに流行ったあらゆる食事療法のなかで、治療介入と対照群による臨床研究に基づき、ヒトの健康寿命と寿命を延ばすと証明された唯一のものは、地中海食である。

スペインで長期にわたって行われた「PREDIMED」研究では、少し太りぎみで糖尿病と心臓病のリスクのある男女7500人を、無作為に2つのグループに分けて5年間調査した。


一方のグループは研究開始当時に西洋で推奨されていた低脂肪食を食べ、他方のグループは高脂肪の地中海食にアーモンドかオリーブ油を追加して食べた。オリーブ油は高カロリーだし、飽和脂肪と不飽和脂肪が混じっているので、非常に体に悪いと多くの医師が言った。

ところが、オリーブ油を摂った人たちの結果が最良で、食事にアーモンドを加えた人たちの結果をわずかに上回った。低脂肪食のグループと比べると、地中海食の人たちは糖尿病、心臓病、脳卒中が3分の1少なく、認知低下も少なかった。おまけに体重も減った。

注意してほしいのは、このような結果が、1つの要因や1つの食品によって出るのではないということだ。地中海食には幅広い種類の野菜や果物、精白していない穀物、豆、少量の魚や鶏肉、ほんの少しの赤身肉が含まれる。ただし、オリーブ油はこの研究結果でもっとも大きな要素だといえるだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が

ビジネス

日経平均は反落、需給面での売りが重し 次第にもみ合

ビジネス

午後3時のドルは156円前半、年末年始の円先安観も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中