分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べるサイズにしてしまおう...映画化が決まった実話
弔いの金策...しないわけにはいかない
「それでは5日まで塩釜署にてご遺体はお預かりします。ご自宅でお亡くなりになったということで、死体検案書という書類をお医者様に作成して頂いています。この書類は、お兄様の戸籍抹消と、埋葬や火葬のために必要な書類です。この作成費用が5万円から20万円かかります。先生によってお値段が違いまして......いずれにせよ、ご遺体の引き渡しの際にこちらのお金がかかって参りますので、少し多めにご準備頂ければと思います」
死体検案書という言葉も初めて聞いたが、その値段が医師によってそんなにも幅があるとは驚いた。混乱しながらも、頭のなかではすでに金策がはじまっていた。じわじわと不安が広がるのがわかった。自分にとってはかなりの金額を短期間で用意する必要があることに気づいたからだった。
「それでは塩釜署でお待ちしております」と言いつつ、電話を切りそうになっている山下さんに慌てて質問した。
「兄の息子なんですが、今どうしているんですか?」
「息子さんは児童相談所が保護しています。明日以降、児童相談所からも連絡が行くと思いますのでよろしくお願いします」
そして山下さんが急に思い出した様子で、今度は私にこう聞いた。
「あ、こちらの葬儀屋さんとかご存じです?」
村井理子(むらい・りこ)
翻訳家/エッセイスト 1970年静岡県生まれ。滋賀県在住。ブッシュ大統領の 追っかけブログが評判を呼び、翻訳家になる。現在はエッセイストとしても活躍。
著書に『兄の終い』『全員悪人』『いらねえけどありがとう』『訳して、書いて、楽しんで』 (CCCメディアハウス)、『家族』(亜紀書房)、『義父母の介護』(新潮社)、 『ある翻訳家の取り憑かれた日常』(大和書房)他。訳書に 『ゼロからトースターを作ってみた結果』『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(新潮文庫)、『ラストコールの殺人鬼』(亜紀書房)、『射精責任』(太田出版)他。
※映画『兄を持ち運べるサイズに』:公式サイト

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