最新記事
健康

冷たいお風呂「アイスバス」で細胞を守れ!...長寿・病気予防にもつながる可能性【最新研究】

Ice Baths for Better Health?

2025年4月17日(木)17時14分
イアン・ランドル(科学担当)
氷水に浸かる男性

氷の湖に飛び込むようなむちゃは禁物 MARIUSZ SZCZYGIEL/SHUTTERSTOCK

<カナダの研究チームは1日1時間の冷水風呂が細胞を守る「自食作用」の活動を活発にすることを確認した。「自食作用」の効果とは?──>

近年、健康効果があるとして人気のアイスバス(氷水を張った風呂、正式には「冷水浸漬」という)だが、カナダのオタワ大学の研究チームによれば、実際に人体の細胞の働きに影響を与えているらしい。

【動画】たった30日でこんなに変わる?...アイスバスに浸かり続けた女性の劇的すぎる「ビフォーアフター」動画が話題に

アイスバスに1日1時間、1週間にわたって入り続ける実験を行ったところ、寒さに対する細胞の耐性が高まったことが確認されたというのだ。


論文の著者で生理学者のケリー・キング(Kelli King)は声明で「体がすぐに順応したことに驚かされた」と語った。

研究チームは健康な若い男性10人を対象に、14度の冷水に1時間、7日間連続でつかってもらった。そして1日目と4日目、7日目にそれぞれ冷水浴の前後に採血し、細胞レベルの反応を調べた。

「繰り返し低温に体をさらすことにより、重要な細胞保護メカニズムであるオートファジー(自食作用)が大きく改善されることを示す結果が出た」と、論文の共著者のグレン・ケニー(Glen Kenny)教授は声明で述べた。

自食作用とは、細胞が分解され、それによって得られたタンパク質が再利用されるプロセスを指す。ケニーは言う。「これにより、細胞はストレスをうまく処理できるようになる。つまり、健康や長寿につながる可能性が大いにある」

最初はアイスバスに入ることで、自食作用には混乱が起きた。だが繰り返し入っているうちに自食作用の活動は安定し、さらには盛んになっていったという。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相「首脳外交の基礎固めになった」、外交日程終

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中