最新記事
ライフ

元恋人こそ、最高の「親友候補」である理由...失恋後、「新たな関係」を作るのに必要なことは?

Failed Lovers, Lifelong Friends

2025年4月12日(土)11時19分
サラ・ガンドル(精神分析医、マウント・サイナイ医学大学院の臨床学助教)
元恋人と親友になるために必要なこと

LUCKY SUN/GETTY IMAGES

<ときめきは薄れても、相手に魅力を感じたことはたしかなはず。貴重な出会いを無駄にしないため、別れても大好きな人を親友に「リサイクル」>

「これからどうする?」。別れ話を切り出した私にトムは言った。初めてデートしてすぐ「運命の人」じゃないと気付いたけれど、彼のことは大好きだったから何カ月かデートを続けた。でもついに現実が押し寄せてきた。

「友達でいられる?」


「考えさせてくれ」。彼が沈んだ声で言った。「たぶん、いつかは......」

私は少し気落ちした。彼と恋人になりたいとは思わなかったけれど、さよならもしたくなかった。彼との思い出がよみがえった。地下鉄の乗客に対する彼の皮肉に声を立てて笑ったこと、記事で興味を持ったファシズムについてネットで調べまくったこと、軽い政治談議を楽しんだこと。

「寂しくなるわ」。私は言った。心から。

恋の終わりは、たとえそれがつかの間の恋だったとしても、少し気まずいものだ。自分をさらけ出し、それまでの経験を振り返って魅力的な自分を探す。初めてのキスのぎこちなさを乗り越え、メッセージやメールの嵐にときめき、恋人になれるかもと予感して、それから......往々にして期待が失望に変わる。

それでも相手に魅力を感じたことを無駄にしては駄目だと気付いた。材木店の木片みたいに、回収して新しい何かに再生できるかもしれない。

最初のデートで二度と会いたくないと思った相手はたくさんいた。失礼な人、自分の世界にどっぷりのオタク、自己チュー男......。その一方で、一緒にいるのが楽しくてデートを重ねた相手もいた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=まちまち、FOMC受け不安定な展開

ワールド

英、パレスチナ国家承認へ トランプ氏の訪英後の今週

ビジネス

NY外為市場=ドル下落後切り返す、FOMC受け荒い

ビジネス

FRB0.25%利下げ、6会合ぶり 雇用にらみ年内
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中