アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと」を初めて知った
My Drinking Was Out of Control
その前日も、子供たちが新学期に学校へ持っていく書類を準備しながら赤ワインを飲んだ。また記憶をなくした罪悪感に加え、母親なら普通にやれることだというプレッシャーを和らげたくて、お酒の力を借りたことが恥ずかしかった。もう終わりにしようと思った。
同志の言葉に救われた
その日の朝、自助グループに集まった人たちは、私の不安を理解してくれた。焦げたコーヒーの匂いが立ち込め、希望の気配がほのかに香る部屋で、ある女性が私に言った。
「あなたのせいじゃない。これは病気なの。アレルギーみたいなもの」。数十年間にわたって背負ってきた恥の意識が、一気に吹き飛んだ。
次に彼女が言ったことは、重荷を取り去ったばかりの心を輝かせてくれた。「もうあなたは、二度とお酒を飲まなくていいの」。自分を駄目な人間だと思っていた私は、その言葉で「依存症の克服に向けて歩もう。このコミュニティーを頼ろう」と誓った。
私が断酒したとき、上の子は8歳。その後、お酒を飲むことなく子育てができた。
母親が子育てのストレスを解消したくてお酒を飲むという話を聞くたびに思う。私が依存症を克服したのは、子育てという母親の仕事を愛していたから。克服したから子育てに愛情を注げるようになったわけではない。