人民元の国際化に弾み、背景には習近平の野望とトランプ不信
China Dreams of Challenging US Dollar Supremacy
制裁下のロシアや新興国に浸透する人民元 Sheldon Cooper / SOPA Images via Reuters Connect
<中国は人民元の国際的地位引き上げに再び動き出した。トランプ政権下で不確実性が高まり、ドル基軸体制への疑念が広がっているためだ>
習近平国家主席は、中国の国際的地位の高まりにふさわしい「強力な人民元」の実現を目指している。それは、金融市場における米ドルの数十年にわたる支配的地位に挑戦し、場合によってはそれを揺るがしかねない存在だ。
今月、人民元は対ドルで大幅に上昇し、6.90元の大台を33カ月ぶりに突破した。追い風も吹いている。
だがアナリストによれば、中国政府がこれまで実行に慎重だった抜本的な構造改革なしには、人民元が強い通貨となり、各国の外貨準備における主要通貨の地位を占める可能性は低い。
個人消費の低迷や5年にわたる不動産不況にもかかわらず、中国は多くの経済指標で依然として優位にある。名目国内総生産(GDP)で世界第2位、購買力平価ベースでは世界最大の経済大国であり、中国政府によれば、昨年は世界経済成長の30%を押し上げた。
また中国は、資産規模で世界最大の銀行システムを有し、国内外で大規模なインフラ事業に資金を供給できる。外貨準備高も世界最大で、金融ショックに対する大きな緩衝材となっている。
しかし、こうした経済規模にもかかわらず、人民元の存在感は依然として小さい。世界の中央銀行が保有する外貨準備に占める割合は約2%にとどまり、米ドルの56.3%、ユーロの20.3%、英ポンドの4.7%と比べて大きく水をあけられている。
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