最新記事
健康

世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】

Morning Coffee for Heart Health

2025年1月25日(土)08時00分
ハティ・ウィルモス(食品・栄養担当)

「ただし、コーヒーを飲むと心疾患による死亡リスクが低下する医学的な根拠は得られてない」とチーは述べた。「考えられるのは、午後や夕方にコーヒーを飲むとメラトニンのようなホルモンの分泌に乱れが生じる可能性だ。これが心血管リスク因子の変化につながると考えられる」

メラトニンの分泌量は時間帯によって異なり、朝は低く、寝る時間に近づくと高くなる。私たちの体内では、こういう24時間周期の変化がいろいろ起きている。だから夜の遅い時間帯にコーヒーを飲むと、眠気と覚醒の自然なリズムが乱れ、睡眠の質が低下し、結果として心疾患のリスクが高まるのかもしれない。


しかし、こうした観察的な研究だけでは朝のコーヒーと心疾患のリスク低下の因果関係は分からない。「この調査結果が他の集団でも確認されるかどうか、さらなる研究が必要だ。コーヒーを飲む時間帯の影響を検証するためには臨床的なテストも必要になる」とチーは述べている。

なおこれとは別に、コーヒーの飲用と発癌リスクの低減、2年ほどの寿命延長との相関を指摘する研究もある。

英ロイヤル・ブロンプトン・アンド・ヘアフィールド病院所属の心臓専門医トーマス・リュシャーは「(この論文で)特に朝のコーヒーが健康に良いということを示す相当な証拠が得られた」と述べ、こう呼びかけた。

「さあ、コーヒーを飲もう。ただし朝のうちに!」

【参考文献】
Wang, X., Ma, H., Sun, Q., Li, J., Heianza, Y., Van Dam, R. M., Hu, F. B., Rimm, E., Manson, J. E., Qi, L. (2024). Coffee drinking timing and mortality in US adults, European Heart Journal, 00, 1-11.

ニューズウィーク日本版 トランプの帝国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月10号(2月3日発売)は「トランプの帝国」特集。南北アメリカの完全支配を狙う新戦略は中国の覇権を許し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ハーバード大に10億ドル損賠求める投稿

ワールド

ウクライナ電力輸入、1月は過去最高に 前月から40

ワールド

中国主席、ウルグアイ大統領との会談で「平等な多極化

ビジネス

豪中銀が2年ぶり利上げ、市場は5月追加引き締め予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 5
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 6
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 7
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 8
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 9
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 10
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中