最新記事
事業継承

200万円で買った会社が月8万円以上の利益に 楽に稼げる会社と絶対買ってはいけない会社、見分けるポイントとは

2023年9月12日(火)19時34分
三戸政和(事業投資家、ラジオDJ) *PRESIDENT Onlineからの転載

金銭的リスクのない理想的な買収

この買収のいいところは、金銭的リスクがほとんどないところです。

何もしなくても現状で月に4万円の利益があります。保守的に見積もって、年に30万円くらいの利益は出る。そこから税金を引かれて税引き後利益が約20万円になる。200万円の投資額は10年で回収できる計算です。

これはあくまで「現状のまま続けると......」という前提です。稼働率が少しでも上がれば実際の回収期間はもっと短くなり、そこが"伸び代"となります。

最初に200万円を出して、その後はほぼ放置しておくだけで最低でも毎年20万円の利益が出るなら、サラリーマンの方が副業で行う形でもできそうですよね。

しかも、Pさんは、貸し会議室運営のノウハウを身につけ、1号店の場所があまりよくないことにも気づき、2店舗目を人通りの多い場所に出店しました。それにより、倍以上の利益が出るようになっています。

けっして荒唐無稽(こうとうむけい)な話ではなく、「300万円で会社を買う」ということをリアルに感じていただけたでしょうか。

「会社の値段」を決めるには

M&Aの市場では、明確なルールではありませんが、会社の値段を決めるときは、次のような計算式を1つの目安としています。


株式価値(買収価格)=純資産+営業利益3〜5年分

純資産というのは、会社が保有している資産から負債を引いたものですが、長年経営されている中小企業では、資産は減価償却が終わっていてほとんどなく、借り入れが結構大きいので純資産が薄い。営業利益もほとんどないという会社はたくさん存在します。

この計算式をもとに考えれば、そうした会社を買う場合は「1円」でも交渉できます。これが先に、「1円でも買える会社はある」といった理由です。

営業利益ゼロの会社を買う意味

「純資産も営業利益もない会社を買って、はたして意味があるのか?」という意見があるかもしれません。

しかし、役員報酬がきちんと支払われていて、営業利益がゼロという場合ならどうでしょうか。オーナー社長になれば、会社からそれなりの役員報酬を得ることができ、「労働収入」(オーナーとしての報酬ではなく、自分が働いて得るお金)にはなりますが、「一定の意味」はある、と考えられませんでしょうか。

さらに、買収後に経営のテコ入れをすれば、営業利益が上がる可能性はあります。そこをしっかり見極めれば、"買い"の会社は1円でもちゃんと存在するのです。

それだけではなく、近年すっかり充実した事業承継等に関する融資制度を使えば、借入金で億単位の会社を買うことも可能です(詳細は『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』参照)。自己資金1円でも、その手元資金だけで会社を買うことができる、ということです。

ちなみに、「手元資金300万円だけで買える会社を」と考えた場合、一般の方は、家族+アルバイトで経営しているごく小さな規模の会社をイメージされるかもしれません。しかし、上記のように借り入れも組み合わせることで、従業員数十人〜100人規模、売上高数億〜数十億円規模の中小企業を買うことは十分できます。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

G7エネルギー相、石油備蓄の活用を原則支持

ワールド

済州航空機事故、所管当局の対応に問題 韓国監査院が

ビジネス

世界のM&A、2月は前年比2.3倍の5131億ドル

ワールド

ホルムズ海峡で貨物船に飛翔体、火災発生で乗組員避難
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 7
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 8
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 9
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中