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地方出身の「負け犬」から「21世紀のビートルズ」へ...BTSが世界の若者を熱狂させる理由

BTS AND “NEO-KOREA”

2026年3月25日(水)16時25分
クォン・ヨンソク (一橋大学大学院法学研究科准教授)
「ろうそく革命」の様子

光化門広場の復活公演でBTSは新たな韓国像を世界に発信した(写真は2016年の「ろうそく革命」) YONHAP NEWS/AFLO; ROBCARTORRES/SHUTTERSTOCK (GYEONGBOKGUNG ICONS)

<軍役からの復活公演は民主化韓国へのオマージュでもあり、世界市民と連帯する「BTS保有国」のお披露目でもある>

BTSはやはり裏切らなかった。韓国男性アイドルの鬼門といわれる「軍白(軍隊+空白) 期(クンベッキ) 」を乗り越え、7人の「完全体」で復活した。しかも復帰舞台が光化門広場でアルバム名が『ARIRNAG』とは、いくら「Dynamite」の破壊力がすごいとはいえ、ここまで振り切るとは! こうもオヤジARMY(ファンの呼称)の心をわしづかみにするとは、BTSにまたしてもやられた。

【動画】BTSカムバックライブの様子

韓国では、3月21日の光化門広場での復活公演に押し寄せる観光客とホテルのぼったくり価格問題、26万人集結による混雑と迷惑と安全問題、1兆ウォン以上ともいわれる経済効果(韓国の年間観光収入は24兆ウォン)の「BTSノミクス」に目がくらんだお祭り騒ぎの報道が目立った。だが、そんなものはどうでもいい。ここでは韓国人もきちんと認識していない、BTS復活の政治的・歴史的意味を独断と偏見で熱く語りたい。


BTSは「21世紀のビートルズ」ともいわれるが、まず前提が違う。BTSは欧米出身でも英語ネイティブでもなく、韓国のソウルでもない地方で育った「負け組アイドル」だった。植民地と戦争と独裁を経て経済成長と民主化を勝ち取った国に生まれた、アンダードッグ(負け犬)のサクセスストーリーに先進国とは一味違った普遍性があり、それが世界の若者の共感を得ている(多くの国は同様の現代史を体験した)。

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