「大勝利」なき時代の創価学会の行方...常勝神話は崩れ始めたのか?

2026年3月1日(日)16時41分
片山 一樹 (ライター*PRESIDENT Onlineからの転載)

「最強の選挙部隊」は過去の話になりつつある

しかし、その「最強の選挙部隊」も時代と無縁ではいられない。「無冠の友」について取材に応じた50代の女性幹部は、現在の内情をこう明かす。

「女性部ができる以前は、結婚したら婦人部へ移行するという仕組みになっていたため、どうしても若い未婚の女子部が手薄になりがちでした。ここ10年くらいから、特に積極的に活動に参加する若い女性が減ってきています。さらに深刻なのは、全体の高齢化です。かつてのようにフットワーク軽く、アクティブに地域を回れる女性自体が少なくなっているのが実情です。あと20~30年もすれば女性中心で選挙運動をするのは難しくなるでしょう」


「組織票」の中核的存在だった「最強の婦人部」は、確実に過去の話になりつつある。世代交代が進まず、次代を担う若手が育たないという悩みは、決して男性組織だけの問題ではない。

男女を問わず、組織全体の活力が失われつつあるのだ。

「組織拡大」を感じられる機会が減っている

これまで紹介してきた現役信者の証言を振り返れば、創価学会の組織力が低下していることは間違いないだろう。だがその一方で、組織内に流通している言葉はむしろ拡大路線を思わせるものが多いという。

たとえば、創価学会は毎年11月頃に翌年の活動指針となるテーマを発表している。ネットで検索してみるとすぐに見つかるが、2026年のテーマは「世界青年学会 躍動の年」だ。

取材した現役信者によると、「青年」「飛躍」「躍進」といった力強いワードが好んで使われる傾向にあるという。組織が右肩上がりで成長し、会員が増え続けていた時代には、信者たちもその言葉に心から共鳴し、熱狂することができた。

しかし、現場の学会員がその成長を肌で実感できる機会は、年々減少している。

初期の創価学会では毎月の折伏(布教)の成果を聖教新聞で大々的に発表し、公称信者数も定期的に公表していた。目標を達成する喜びが組織全体で共有されていたのだ。

だが、いつしか折伏成果は聖教新聞から姿を消し、公称信者数も2005年に発表された「827万世帯」を最後に更新されていない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国外相、イラン指導者殺害や体制転換の扇動「容認で

ワールド

OPECプラス8カ国、4月に増産開始で合意 イラン

ワールド

イラン首都照準に2日目攻撃、トランプ氏は反撃に警告

ワールド

プーチン氏、ハメネイ師殺害は道徳規範と国際法に違反
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 4
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 5
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 6
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 7
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 8
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 9
    今度は「グリンダが主人公」...『ウィキッド』後編の…
  • 10
    最高指導者ハメネイ師死亡(イラン発表)、トランプ…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中