最新記事
MLB

運命を操るチーム...ドジャースの連覇に潜むMLBの不条理

DODGERS’ OBSCENE GOOD FORTUNE

2025年11月13日(木)18時40分
アレックス・カーシュナー(スポーツライター)
第7戦・延長11回の激闘を最高の笑顔で締めくくる(11月1日、ロジャーズ・センター、トロント) ERICK W. RASCOーSPORTS ILLUSTRATED/GETTY IMAGES

第7戦・延長11回の激闘を最高の笑顔で締めくくる(11月1日、ロジャーズ・センター、トロント) ERICK W. RASCOーSPORTS ILLUSTRATED/GETTY IMAGES

<悲願のワールドシリーズ連覇を果たした「悪の帝国」ドジャースが憎まれ役になるワケ>


▼目次
「あの選手が」同点本塁打
最強球団のとてつもない幸運

ロサンゼルス・ドジャースは王朝を築いた。11月1日のワールドシリーズ最終第7戦は歴史に残る戦いとなり、延長11回、5-4でトロント・ブルージェイズを倒してMLB(米大リーグ)史上25年ぶりの連覇を達成した。

まさに快挙だ。ドジャースは超高額契約を連発して球界屈指の選手を次々に獲得し、「野球を壊している」と批判されてきた。もちろんそんなことはないのだが、今や紛れもなく憎まれ役だ。ただし、大谷翔平の笑顔と才能だけは嫌いになるなんてできるはずがない。

選手の育成においてもドジャースには圧倒的な実績がある。2016年のドラフト1巡目で入団した生え抜きのウィル・スミス捕手は、オールスターに3回出場する選手に成長。今年のワールドシリーズ第7戦では決勝本塁打を放った。

とはいえ、1つの球団にあらゆる幸運が完璧なタイミングで重なるのを見せつけられると、なんとも腹立たしいではないか。「運は自分でつくるもの」ともいわれるが、今年のワールドシリーズのドジャースは圧倒的な強運をほしいままにした。

私はフロントもオーナーも本気で優勝を目指していない球団(ピッツバーグ・パイレーツ)のファンとして、ドジャースが一流選手にとって魅力的な移籍先であることを恨めしく思ったりはしない(私もロサンゼルスに転居したのだから)。

レギュラーシーズン162試合を通して見れば、球団間の実力のばらつきはほぼ消える。データ解析システムのスタットキャストによると、今季のドジャース打者の打球の強さなどから、チーム打率は6位が妥当なところ。実際に6位だった。

ただし、ポストシーズンは偶然の連続だ。全ての運が強者に味方したときに、野球の神々がどれほどの加護を与えるものかと並べ当ててもバチは当たるまい。

始まりは10月9日の地区シリーズ第4戦だった。フィラデルフィア・フィリーズの投手が平凡なゴロを悪送球し、ドジャースはサヨナラ勝ちでナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

スイス・スキーリゾートのバーで爆発、約40人死亡・

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 9
    米中関係は安定、日中関係は悪化...習近平政権の本当…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中