インド映画はなぜ踊るのか?...『ムトゥ 踊るマハラジャ』の功罪
インド映画の歌と踊りに関してはもうひとつ、それらが「突然」「唐突に」「何の脈絡もなく」差し挟まれるとの批判も受けがちだ。確かに『ムトゥ』には、そう見なされても仕方のないシーンがあった。
たとえば「Thilana Thilana(ティラーナ・ティラーナ)」は、1曲の間に衣装とセットの7変化が楽しめることで有名で、相当な金が掛かっているが、このダンスシーンへの入り方はかなり強引だった。
とりあえずどこで使うかまともに計画もせずにやたらとお金を掛けて豪華なダンスシーンを作ってしまい、それを後から本編に入れ込もうと場所を探す中で、件(くだん)の部分に無理に差し挟まれたかのようだった。
だが、インド映画に踊りが「突然」入るというのは、日本におけるインド映画ブームが『ムトゥ』から始まったために起こった一種の不幸な誤解であったといってよい。インド映画の歌と踊りは、決してストーリーと無関係に「突然」差し挟まれるのが通常ではない。
ここでは、多くの日本人が抱きがちな「インド映画にはなぜ踊りが入っているのか」という疑問に答えるために、インド映画に踊りが入る理由を多方面から解き明かすと同時に、それがインド映画を世界の映画から際立たせる優れた特徴であり、映画の質を低めるばかりか高めているということを主張したい。
高倉嘉男(Yoshio Takakura)
1978年、愛知県豊橋市生まれ。東京大学文学部卒。2001年から2013年までインドの首都ニューデリー在住、ジャワーハルラール・ネルー大学(JNU)でヒンディー語博士号取得。インターネットの世界では「アルカカット」として知られ、インド留学日記「これでインディア」やインド映画専門ブログ「Filmsaagar」などを運営。インド映画研究家として2000本以上のインド映画のレビューを発信してきた。インド映画出演歴あり。共著に『新たなるインド映画の世界』(PICK UP PRESS)。2020年から豊橋中央高等学校の校長。2025年から東京外国語大学非常勤講師。
『インド映画はなぜ踊るのか』
高倉嘉男[著]
作品社[刊]
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)
-
未経験OK 外資系有名ブランド企業社内ヘルプデスク業務 京橋駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/港区/web系SE・PG/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
営業マネージャー 「東京/外資系メーカー」
エドワーズ株式会社
- 東京都
- 年収800万円~1,100万円
- 正社員
-
「外資系IT×クラウド」AWSサポートエンジニア/AWSスキルをグローバル環境で磨けるポジションです
ヌクレウス・ソフトウェア
- 東京都
- 年収700万円~
- 正社員