『ミスティック・リバー』原作者による新作スリラー『スモーク』...放火の炎に潜む、人間の「業」を追う
Feeling the Heat

放火捜査官のデイブ(右)と刑事のミシェルは「真実」にたどり着こうとするが APPLE TV+
<『キングスマン』シリーズのタロン・エガートン(Taron Egerton)主演。実在の放火事件に着想を得て、放火に関わる人々の心にくすぶる「業」を描く心理サスペンス>
アップルTVプラスの新作サスペンススリラー『スモーク』(Smoke)は火を中心に展開するが、最も重要なのは人々の中で燃え上がる炎だ。
『ミスティック・リバー』『夜に生きる』などで知られるベストセラー作家で脚本家のデニス・ルヘイン(Dennis Lehane)が製作総指揮と原案・脚本を担当。放火捜査官、傷を抱えた刑事、正体不明の2人の放火魔がそれぞれの過去と、自分自身と激しく衝突する。
放火捜査官のデイブ・グドセン(タロン・エガートン)は、降格された刑事ミシェル・カルデロン(ジャーニー・スモレット)と不本意ながらコンビを組み、太平洋岸北西部の町アンバーランドで連続放火犯を追う。捜査が進むにつれて、事件も彼らの精神状態も全てが燃え盛る。
「最初に脚本チームに言ったんだ。『ぶち壊してしまおう』とね」と、ルヘインは本誌に語る。「これは混沌の物語だ。感情の混沌、心理的な混沌、世界の混沌。私たちはひどく混沌とした時代を生きている。そうではないかのように装う理由はない」