フィリピン人で初めて世界ランク「トップ100入り」...テニス界「大注目の20歳」は一体何者なのか?
The Ball's in Her Court
自分で道を切り開く
全仏オープンのような大舞台で結果を出すのは大変だが、彼女の若さを考えれば、個々の大会の結果よりも将来を見据えることが重要になる。
スポーツの世界には浮き沈みがあり、誰だって永遠に頂点に立ち続けることはできない。誰にでもチャンスがあり、その時点で最高の力を発揮した人が頂点に立つ。残酷な世界かもしれないが、実に公平でもある。
そういう意味で、今のイーラは分岐点に立っている。自分自身が脚光を浴びる存在となる一方で、後に続く少女たちのための土台づくりを担う立場でもあるからだ。
「小さな女の子たちがファンになってくれるのが最高にうれしい」と、彼女は言う。
「たぶん私は、あの子たちの中にかつての自分の姿を見ている。昔の私も、いつか大舞台でプレーすることを夢見ていた。でも女の子たちには、『第2の私になろうなんて思わないで』と言いたい。本当に大事なのは、自分で自分の道を切り開くことだから」
「そしてそれこそが、私が成長するなかで常に自分に言い聞かせてきたこと」だとイーラは言い、こう続けた。
「私自身、マリア・シャラポワや李娜、シモナ・ハレプに憧れていた。彼女たちが成し遂げてきたことは本当に素晴らしい。でも私は私らしいテニスをして、それでいつか自分の結果を出したい」