フィリピン人で初めて世界ランク「トップ100入り」...テニス界「大注目の20歳」は一体何者なのか?
The Ball's in Her Court
イーラが成し遂げた偉業の1つは、歴史を塗り替えたことだ。マイアミでの勝利を経て、ついに世界ランキング上位100入りを果たした。これは彼女自身にとっての節目であると同時に、フィリピン人のテニス選手として初の快挙でもあった。
若くして国旗を背負って世界の舞台に立つイーラ自身、その点をしっかりと自覚している。「フィリピンのルーツや文化を心から誇りに思っている。テニス界や国際社会にそれを発信していけるのは、とてもうれしいことだ」
トップ100入り(イタリア国際後は69位に上昇)のもう1つの恩恵は、5月の全仏オープン本戦への出場資格を得られたことだ。これで彼女は、文字どおり世界の大舞台に立つことになった。
ただし全仏の舞台は、他のグランドスラムとは異なる赤土のコート。ボールの弾み方が違うため、順応できずに苦戦する選手は少なくない。イーラ自身、同じく赤土のイタリア国際では十分な結果は出せなかった。
全仏も初戦敗退に終わったが、彼女は気にしていない。
「いつだって多少の調整は必要だが、自分のプレースタイルは変えない」。イタリア国際の前に、イーラは本誌にそう語っていた。「大事なのは自分のスタイルに忠実であること。それができれば、最高の力を発揮できるはず」