【大河「べらぼう」5分解説②】蔦重本人が広告に登場! 耕書堂の名を広めた販売戦略
安定収入でリスクヘッジ。堅実な経営者
定期刊行物の吉原細見の独占は、蔦重の経営基盤の安定に大きく寄与したと思われる。
これに加えて、同様に安定した売上が見込めたのが、「富本節(とみもとぶし)」の正本(しょうほん)・稽古本と、手習いの教科書である「往来物」であった。
江戸浄瑠璃豊後節(ぶんごぶし)のひとつである富本節は、富本豊前太夫(とみもとぶぜんだゆう)という人気太夫によって流行に火がつき、安永後半期には全盛期を迎えていた。
正本とは詞章(ししょう)に曲節の譜を記した版本のことで、富本節の正本・稽古本は流行とともに需要が増していた。
往来物は、子供向けの教科書であり、価格は安かったが、一度作れば長く摺すりを重ねられるため、安定した売れ行きが見込めた。蔦重は安永9年頃から寛政期前半まで、毎年のように往来物を刊行し、着実に経営の地盤を固めていった。

当時、浄瑠璃の富本節が流行し、その節回しなどを記した正本や稽古本の需要も高まった。いち早くこれに目をつけたのが蔦屋重三郎であった。表紙には、「新吉原大門口 蔦屋重三郎」と版元の名前が掲載されている。

主に幼童向けの手習いの教則本として利用されたのが、往来物である。江戸時代には寺子屋が設けられ、庶民向けの往来物が多数作られた。蔦屋重三郎は、流行の本だけでなく、手堅い教科書出版も同時に行うことで、経営基盤の安定を図った。

喜多川歌麿とともに鳥山石燕門下の絵師で、戯作や狂歌なども手がけた志水燕十による往来物。『利得算法記』は庶民向けの算数の教科書だが、数学書『塵劫記(じんこうき)』の批判が随所に盛り込まれている。このほか、『利得商売往来』や『至宝商売往来』など実用的な教科書が多数作られた。

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