【インタビュー】LL・クール・J、11年ぶりの新作に込めた「ヒップホップへの愛」

Still Doin’ It Well

2024年10月25日(金)15時20分
ウィリアム・ケッチャム(音楽ライター)

newsweekjp20241024044033-69c3d307fc65575125fe61175d61577f408a953b.jpg

ロックの殿堂入りを果たしたLL・クール・Jはエミネムと共演(2021年) KEVIN MAZUR/GETTY IMAGES FOR THE ROCK AND ROLL HALL OF FAME

LLがヒップホップの創成に深く関わったことは、いくら強調しても足りない。

80年代、最初にメインストリームに躍り出たアーティストといえば、シュガーヒル・ギャングやグランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイブが思い浮かぶかもしれない。だが、ソロでスターになったラッパーはLLが初めてだ。


彼は84年、後にヒップホップの代名詞となるデフ・ジャム・レコーディングスと16歳で契約。「アイ・ニード・ア・ビート」など虚勢やマッチョさを前面に押し出した曲で、ヒップホップの新鮮な魅力をアピールした。

ファッションにも貢献

LLがデビュー作『レイディオ』を発表した85年当時、ヒップホップはほぼニューヨーク限定のストリート文化だった。LLはこのアルバムでカリスマを存分に発揮し、ヒップホップがれっきとした音楽であることを証明した。

その後のアルバムでは粋がったラップの間に「ドゥーイン・イット」など女性ファンがターゲットのエロチックなナンバーを挟み、唇をなめるしぐさと肉体美を武器にヒップホップ界初のセックスシンボルとなった。

大ぶりなアクセサリーをはやらせたのもLLだという。3枚目『パンサー』のジャケットでLLはゴールドのチェーンを着け、極太のゴールドチェーンを巻いた黒ヒョウとポーズを取った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日鉄によるUSスチールの買収完了、米政府が黄金株保

ワールド

イラン、トランプ氏の降伏要求に反発 中東紛争の出口

ワールド

日産2車種「追加調査の必要性なし」 米NHTSA、

ワールド

中国外相、イスラエルによるイラン攻撃「国際法違反」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中