最新記事
世界に挑戦する日本のエンタメ

武器は「髪」だけ!?...ピン芸人「ノボせもんなべ」を知ってる? イギリスを沸かせた「独特すぎるモノマネ」とは

Nobosemonnabe

2024年8月6日(火)18時35分
コリン・ジョイス(在英ジャーナリスト)
ピカチュウのモノマネをするノボせもんなべ

ノボせもんなべ-Britain's Got Talent YouTube

<今年5月、英人気オーディション番組に出演。平均的サラリーマン風の男が「髪」を巧みに操ってスヌーピーやマレフィセントになりきる姿に審査員は夢中に──>

誰もが愛するスヌーピーと、英テレビ界の毒舌男サイモン・コーウェル。この1匹と1人の共通点は何か? 答えは日本のピン芸人、ノボせもんなべ。正確に言えば彼の頭、もっと正確に言えば頭のてっぺんにある彼の髪に関係している。

今年5月、ノボせもんなべ(通称・なべちゃん)はイギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に挑戦し、髪の表情だけで演じる絶妙なものまねで会場を沸かせた。


日本の平均的サラリーマンのような服装で登場したなべちゃんは、自分の髪を巧みに操ってスヌーピーの垂れ耳にしたり、ディズニー映画の魔女マレフィセントの角にしたり。挙げ句に番組の審査員でもあるコーウェルのゲジゲジ胸毛までまねしてみせた。

ものまね芸人はたくさんいる。みんな芸達者で、芸域も広い。でも髪の毛だけで勝負する芸人なんて、今まで誰も見たことがない。だから審査員のアマンダ・ホールデンは、迷わず特別な「ゴールデン・ブザー」を押して、彼を準決勝に直行させた。

なべちゃんは残念ながらそこで敗退し、この番組での優勝は逃した。でも、彼にはまだまだ未来がある。

髪の表情だけでどこまでレパートリーを増やせるのか、それだけで30分のステージをこなせるのか。そんな疑問や批判が出るのは当然だろうが、なべちゃんはすごく前向きだし、芸だけでなく全てに人間味がある。

とはいえ、将来が順調とは言い切れない。彼の芸には、本質的な限界があるようにも思えるからだ。

今回は短い出番で5種類のものまねを披露して観客を沸かせたが、パンチの効いたギャグを織り交ぜたりしてステージを構成できるかどうかは未知数だ。しかし、そもそも髪だけで勝負するピン芸なんてものこそが、未知の領域ではないか。

だから今後も、この未知なる領域に注目しよう。なべちゃんの頭のてっぺんに。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任し国連大使に指

ワールド

米との鉱物協定「真に対等」、ウクライナ早期批准=ゼ

ワールド

インド外相「カシミール襲撃犯に裁きを」、米国務長官

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官を国連大使に指名
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中