最新記事
アーティスト

「明らかなパクリ」と一部ファン...ビヨンセ、ツアー衣装で日本人アーティストの作品を盗用か 比較写真が話題に

2023年12月19日(火)20時00分
千歳香奈子
ビヨンセ

アルバム「ルネッサンス」で第65回グラミー賞「最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞」を受賞したビヨンセ(2023年2月6日、ロサンゼルス) Mario Anzuoni-REUTERS

<「正式に頼んでくれれば君のためにもっと良い仕事ができた」とする空山基氏の投稿をめぐり、ネット上で議論が過熱>

歌姫ビヨンセが、今年大成功させた世界ツアー「ルネッサンス」のビジュアルを巡ってエロティックなイラストで人気の日本人アーティストの作品を盗作した疑惑が浮上している。「セクシーロボット」など美と機械を融合させた光沢感のある官能的な作品で知られる空山基氏が、ステージの巨大スクリーンに映るビヨンセの顔の写真をインスタグラムに投稿し、自身の作品と並べて投稿したことが話題になっている。

【比較写真】「明らかなパクリ」と一部ファン...空山基氏がインスタに投稿した自身の作品とビヨンセの衣装デザイン

「よう、ビヨンセ。君は私に"正式"に頼むべきだった。そうすれば私も、ザ・ウィークエンドのように君のためにもっと良い仕事ができたのに」とビヨンセに向けてメッセージを綴り、比較画像として自身の作品も複数枚公開。顔の横からワイヤーのような尖った棒が突き出したメタリックシルバーのヘッドピースを被るビヨンセの姿を問題視した。

 

許可を得ていたと思っていたファン多数

何かしらの法的措置を講じているのか、単に作品の類似点を指摘しただけなのかは不明だが、ディオールやブルガリなどの高級ブランドや人気歌手ザ・ウィークエンドとのコラボで世界的な評価を受けている空山氏の主張をニューヨーク・ポスト紙やTMZなど複数の米メディアが取り上げ、疑惑を大々的に伝えている。(編集部注:空山氏の所属ギャラリー「NANZUKA」が15日に正式な声明を発表。南塚真史代表によれば、空山氏にとって、ビヨンセの衣装が空山作品と類似しているかの判断を司法で争う事は優先事項ではなく、"空山風"のデザインが本人のものだと認識されることへの拒否感こそが関心事だとしている)

多くのファンがツアー中、ビジュアルは空山氏からインスピレーションを受けたものであると信じていたと報じており、投稿を見た一部ファンからも「明らかなパクリ」「立ち上がるべき」と支持する声が出ている。

一方、「投稿する前にリサーチすべき」と批判も多く寄せられている。「(ディストピア未来都市を描いた1927年のドイツ映画)『メトロポリス』が最初」「これまで(仏デザイナー)ティエリー・ミュグレーやジャンポール・ゴルチエらが、同様のデザインを手掛けている。あなただけが、アンドロイドの美学を所有しているわけではない」「アンドロイドを創造したのはあなたが最初ではない」などコメント欄はファンの疑惑を否定する声で溢れている。

空山氏の許可を得ていたと思っていたファンに対しても、「(今ツアーのステージ衣装やショーのクリエイティブを担当した)ミュグレーの作品」「2007年のBETアワードでも似たようなデザインの衣装を着用していた」と真っ向から反論し、議論が沸騰している。

編集部よりお知らせ
ニューズウィーク日本版「SDGsアワード2025」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、3会合連続で金利据え置き 総裁「関税動

ワールド

トランプ氏、インド関税25%と表明 ロ製兵器購入に

ワールド

トランプ氏、関税発動期限の延長否定 8月1日は「揺

ワールド

トランプ氏、FRBに利下げ改めて要求 「第2四半期
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い」国はどこ?
  • 4
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 5
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 8
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    13歳も72歳も「スマホで人生が終わる」...オンライン…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 9
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中