最新記事

ドラマ

笑えてハラハラできて胸を打つ──米ヒットドラマの主人公はエイリアン

A Space Alien With Heart

2021年4月8日(木)17時09分
ジョン・ジャクソン
米ドラマ『レジデント・エイリアン』のキャスト

(左から)フィーラー、トムコ、レイノルズ、ウェッターランド、テュディックら実力派のキャストが素晴らしい演技を披露 MAARTEN DE BOERーNBCUNIVERSALーNBCU PHOTO BANK/GETTY IMAGES

<主人公は地球で生きる異星人、ケーブル局サイファイのオリジナル作品『レジデント・エイリアン』が進撃を続ける理由>

サイファイは、基本料金のみで見られるアメリカのケーブルチャンネルとしては異色の存在だ。オリジナルドラマをヒットさせているのだから。

『レジデント・エイリアン』はコメディーかつシリアス路線で、殺人ミステリーものでもあるドラマ。アラン・テュディックが演じる主人公はコロラド州の架空の町で、人間のふりをして生きていこうと苦闘するエイリアンだ。

笑えるだけの作品ではない。人類滅亡を狙う異星人の物語であるにもかかわらず、驚くほどハートウオーミングな群像劇になっている。

「人々に希望はあると気付かせる手助けをする。それが究極的にやりたかったことだ」と、本作のクリエーターを務めるクリス・シェリダンは語る。「私たち人間は苦しんでいる。だが協力し合うことを学べば、よりよくなれる」

新番組が直ちに高視聴率を達成しなければ、たちまち打ち切りになるテレビの世界で、『レジデント・エイリアン』は視聴者を開拓している。

計10話の本作が放送開始されたのは今年1月後半(3月31日に最終回放送)。NBCユニバーサル傘下で、映画番組や再放送を中心とするサイファイは各種媒体で盛んなプロモーションを展開した。

本作の初回の合計視聴者数は約220万人。高評価や口コミのおかげで第2回の視聴者数は約265万人を記録した。確かに、ABCテレビの超長寿婚活リアリティー番組『バチェラー』の人気(最新シーズン最終回の視聴者数は770万人)には及ばないが、オリジナル番組に力を入れるサイファイの路線の正しさが証明された格好だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア西部2州で橋崩落、列車脱線し7人死亡 ウクラ

ビジネス

インフレ鈍化「救い」、先行きリスクも PCE巡りS

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 8
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中