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美容大国の韓国でミスコン大炎上 審査廃止でも水着映像上映、伝統衣装をミニスカに

2019年7月29日(月)20時21分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

審査はしないけど水着は必要?

このように注目度が高いだけに、ミス・コリアに対する賛否の議論が生まれやすい。2015年ごろから日本でもTwitterなどネットを中心に話題となったのが出場者の顔が皆似ており、髪型が違うものの同じ顔が並んでいるというものだった。「美容整形のせいではないか」という憶測と共にファイナリスト34名の顔写真を並べた写真がネット上で出回った。

韓国は美についての多様性が低く、誰もが納得するような一辺倒の美しさしか受け入れられないところがある。また、美の競演でありながらも「性の商品化」の象徴ともいわれている。特に、水着審査についてはここ数年批判の対象となり、今年2019年からは水着審査を廃止した。実は、2004年にも一度廃止されたものの翌年2005年には復活された経緯があり、今回は15年ぶりの廃止となったのだ。

ところが、水着審査はなくなったもののプールサイドで撮影された参加者の水着姿での映像は公開され、これでは廃止の意味がないという声が上がっている。世界的にも美と知性を競う"ミスコン"で、水着審査の必要性が問題視されだしているからだ。

一方、ミス・コリアの翌日に行われた「2019ミス・グランド・コリア選抜大会」では、女性団体などの反対を押し切り水着審査が行われた。この大会はミス・グランド・インターナショナルの国内大会であり、韓国はそのライセンスを取得して開催されている。ところが、ライセンスをもっている1L2H COMPANYの代表ヒョン・デゴン氏が韓国日報系列の韓国メディアネットワーク所属記者であったことから「韓国日報が開催のミス・コリアでは水着審査を廃止しているのに、系列会社が主催するミス・グランド・コリアは水着審査を継続している」と、間接的ではあるものの主張が一貫していないという批判を受けている。ヒョン・デゴン氏は、「我が社はミスコンテストのフォーマットをライセンスして開催していて、その契約内容には水着審査が入っているため、ライセンス維持のためには水着審査が不可欠だった」と発言している。

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