最新記事

女性問題

美容大国の韓国でミスコン大炎上 審査廃止でも水着映像上映、伝統衣装をミニスカに

2019年7月29日(月)20時21分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

2018年東京で開催された第58回ミス・インターナショナル世界大会に水着と韓服で審査に臨む韓国代表のソ・イェジン。ミス・インターナショナル世界大会にはミス・コリアの準ミスが出場することになっている。 REUTERS/Kim Kyung-Hoon

<女性に対する性差別への反発が広まるなか、常に論争を呼ぶのがミス・コンテスト、とりわけ水着審査などの衣装をめぐる問題だ。美容についてのこだわりが強い韓国で行われたミス・コンテストもこの問題で炎上した>

7月11日、韓国で今年も「ミス・コリア選抜大会」が行われた。ミス・コリアは、1957年から開始された韓国日報社が主催する美人選抜大会だ。毎年全国14か所から代表者と海外枠からの代表者が選出され、最終的に本選大会で今年の韓国の美を代表する1人が選ばれる。海外枠があるのは、韓国以外に住む韓国系外国人もエントリーされるからだ。日本でも在日韓国人のためにミス・コリア日本代表の大会も毎年行われていて、移民の多い韓国ならではといえる。

日本でもミス日本など美を競う大会いわゆる"ミスコン"は行われているが、韓国のミス・コリアほど大きく報道されたり、国民の注目を浴びたりはしていない。韓国では美容や整形など容姿に高い関心をもち、特に女性は美が重要視される傾向が強い。また、子供のころから学校の成績や受験戦争で他者と激しい競争を強いられる。美を競う"ミスコン"となると、その両方が合わさり毎年注目を集めるのだろう。

多くの有名女優を輩出してきたミス・コリア

80〜90年代をピークに、その人気度は年々下がってきているとの声もあるが、それでもミス・コリアのほか、ミスワールドコリア、ミスグランドコリア、スーパーレディコリアといったコンテストが毎年開催されている。そしてそれら数多くある"ミスコン"の頂点ともいうべき「ミス・コリア」のタイトルの力はまだ衰えていない。

事実、ミス・コリア出身でその後、タレントや女優、アナウンサーになった人も多い。映画『タチャ イカサマ師』や、ドラマ『パスタ』『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン』などに出演していたイ・ハニは、2006年度ミス・コリア出身の女優である。社会現象にもなった『SKYキャッスル』にハン・ソジン役で出演していた女優ヨム・ジョンアは、1991年度の準ミス出身である。日本でも有名な映画『箪笥』などにも出演していた。また、日本の同名ドラマ『女王の教室』のリメイクにて、天海祐希演じた主人公の阿久津真矢役に当たるマ・ヨジン役を演じたコ・ヒョンジョンも1989年度の準ミスに入賞し芸能界入りした1人である。ドラマ『砂時計』でスターダムにのし上がるも結婚を機に芸能界引退。しかし、2003年離婚を機に芸能界復帰し、ドラマ『リターン─真相─』や、映画『女優たち』では本人役で出演するなど活躍している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米住宅ローン金利7%超え、昨年6月以来最大の上昇=

ビジネス

米ブラックストーン、1─3月期は1%増益 利益が予

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中