Raphael Satter Lefteris Papadimas
[ワシントン/アテネ 26日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派は25日、サウジアラビアの紅海側にある石油関連施設を攻撃した。一方、イラン外務省は同日、ウクライナがカスピ海でイランの商船を攻撃したと非難した。米国は同日、2週間ぶりにイランへの空爆を見送ったものの、イラン戦争はここへきて戦火拡大の兆候を示している。
米軍は13日連続でイランを攻撃していた。米政府高官は25日、ロイターに対し、「(トランプ大統領は)これまで常に外交を望むということを明確にしてきた。一方で、イランが真剣に交渉の席に着かなければどうなるかも示してきた」と語った。
25日には、米軍の攻撃に対して連日行われていたイラン側から周辺国への攻撃も実施されなかった。
米紙ニューヨーク・タイムズは同日夜、トランプ大統領がイランへの攻撃強化計画を当面見送ることを決定したと報じた。同紙によると、大統領と側近らは、紛争の拡大、防衛装備品の枯渇、ペルシャ湾岸同盟国との関係悪化、エネルギー供給や世界経済への影響を懸念しているという。
一方でイエメンのフーシ派がサウジアラビアを攻撃したことで、ホルムズ海峡に次ぐ主要なエネルギー供給のルートであるバブエルマンデブ海峡の航行にも影響が及び、イエメンの内戦が再燃する可能性も出てきた。
さらに、イラン外務省は25日、ウクライナがカスピ海でイランの商船を攻撃し、乗員1人が死亡、1人が負傷したと非難した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、同国軍がカスピ海でロシアの軍艦や、イラン関連の軍事物資の輸送に使われていた船舶を攻撃したと明らかにした。
国営イラン通信(IRNA)によると、イラン外務省は、テヘラン駐在のウクライナ臨時代理大使を呼び出し、「敵対的で犯罪的な」攻撃だと抗議した。
<イエメンへ戦火拡大の恐れ>
フーシ派の軍事報道官は、サウジの紅海側ヤンブーとジザンにある国有石油会社サウジアラムコの施設を攻撃し、成功したと述べた。ロイターが確認したソーシャルメディアに投稿された動画には、ジザンにあるアラムコの製油所の方向から大きな煙の柱が立ち上る様子が映っていた。
アジアの商社筋によると、ジザンで燃料・石油貯蔵施設が損傷した可能性があるとの情報がある。
ギリシャ治安当局筋は、ヤンブーの石油施設を狙った弾道ミサイル2発を地対空ミサイル「パトリオット」で迎撃したと述べた。ギリシャ軍は、サウジとの合意に基づき、サウジ国内でパトリオットを運用している。
サウジアラビアの紅海沿岸主要石油港であるヤンブーは、ホルムズ海峡を迂回するサウジアラビア産原油の重要な輸送ルートとなっている。イエメン国境に近い紅海沿岸の都市ジザンにある製油所では、1日最大40万バレルの原油を処理できる。
<ホデイダを攻撃>
イエメン当局者によると、サウジアラビアの支援を受け、国際的に承認されているイエメン政府軍が、中部マアリブ州とジャウフ県にあるフーシ派の発射拠点と武器庫を攻撃した。
これに先立ち、イエメンで軍事作戦を展開するサウジ主導の連合軍は24日、イエメン西部ホデイダ県にあるフーシ派の軍事施設を空爆したと発表していた。
前出の当局者によると、イエメンではフーシ派側と政府側の双方が前線沿いに部隊を動員しているという。