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投資戦略もAIが決める時代に? 「AI革命」が金融分野にもたらす「希望」と「リスク」とは

MONEY’S NEW DIGITAL FUTURE

2026年2月27日(金)14時40分
ポール・ローズ (ジャーナリスト)

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クラーナのIPOの日、ニューヨーク証券取引所に姿を見せたシェミアトコフスキー(左から2人目、昨年9月10日) SPENCER PLATT/GETTY IMAGES

より速く、より予測不能に

消費者保護を掲げ、AIの力を借りてよりよい金融判断を下せるツールを提供すると語るとき、クラーナのシェミアトコフスキーは情熱的で真摯かつ誠実に見える。彼は言う。

「顧客から信頼を勝ち取りたい。彼らを助けたい。住宅ローンがいい例だ。実感しやすいから。しかし本当に重要なのは、日々の支出だ。大切なのは、時間を節約できること、お金を節約できること、自分でコントロールできること。この3つだ」


AIによって簡素化された金融サービスの未来という約束があり、銀行業界がそれを実現するために何十億ドルも投じているとはいえ、アメリカ人は依然として慎重だ。今年1月のユーガブの世論調査によれば、金融サービスにおいてAIを信頼していると答えた人はわずか19%で、48%は信頼していないと答えた。

バラダランによれば、AIによる革新は、富と所得の不平等に対する「目くらまし」であり「擬似的な解決策」だ。その不平等こそ、目下の政治的緊張の主要因でもあるという。

07〜08年と同様の大規模な集団パニックが起きれば、現在の銀行システムは崩壊し、世界的なリセットにつながる可能性があると、バラダランは言う。そして、それが前向きなものになることを期待する。「未来はより速く、より予測不能になる。変化の速度は増している。個人が単独で自分の身を守る方法はない」

Tシャツにジーンズ、スニーカー姿の男が届ける親しみやすいメッセージが、次世代の消費者、貯蓄者、投資家、債務者、そして住宅ローン利用者たちを、このデジタル化された「お金の未来」へ導けるかどうかは、まだ分からない。

※この記事は後編です。前編「AIが『自動で住宅ローンを安くしてくれる』未来がすぐそこに...進化するAIが変える金融と経済」はリンクからご覧ください。

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