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なぜあの人は出世するのか?...「社内政治の科学」が示した、日本企業のミドルマネジャーの実態

2025年12月8日(月)08時25分
木村琢磨(昭和女子大学教授)

そして、特別な用件がなくてもキーパーソンに積極的に話しかけたり、情報を提供したりして良い関係を形成することに努めていました。

このような戦略ネットワーキングは、新卒入社組にはあまり見られませんでした。これは、新卒一括採用の影響もありますが、ジョブローテーションの影響も大きいです。日本の大企業では、総合職はさまざまな部署や地域への異動を通じて、自然と広い人的ネットワークを築いていきます。


中途入社組はこのような幅広い人事異動の対象にならないことが多いので、戦略的ネットワーキングで人脈形成をする必要があるのです。

このように、日本企業の社内政治行動には雇用慣行が影響していました。日本の大企業でも今後、ジョブ型雇用や地域限定社員制度が普及すれば、社内政治の姿も変化していく可能性があります。


[参考文献]
Kimura, T. (2019). How and Why Middle Managers Use Political Tactics as Leadership Behavior. 4th Interdisciplinary Perspectives on Leadership Symposium


木村琢磨(きむら・たくま)
博士(経済学、東京大学)。スタートアップでの勤務や組織・人事コンサルティング実務を経て、2018年より法政大学教授。2025年より昭和女子大学教授。主に経営学の分野で国際的に影響力のある学術誌に多数の論文を発表。2015年にInternational Journal of Management Reviewsに掲載された論文は、社内政治研究における世界トップ10論文に選出。現在も国際的なジャーナルで研究成果の発信を継続中。専門は組織行動論と組織アナリティクス。企業の組織改革や人材戦略に関するコンサルティングや研修を行い、研究知見を企業の現場に応用する活動に取り組んでいる。


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 『社内政治の科学 経営学の研究成果

  木村琢磨[著]
  日経BP/日本経済新聞出版[刊]


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