最新記事
レアアース

米豪首脳がレアアース協定に署名、中国に対抗...「合意には日本とのプロジェクトも含まれる」

2025年10月21日(火)10時05分
オーストラリアのアルバニージー首相とトランプ

トランプ米大統領は20日、オーストラリアのアルバニージー首相とホワイトハウスで会談し、レアアース(希土類)および重要鉱物に関する協定の合意文書に署名した。同日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は20日、オーストラリアのアルバニージー首相とホワイトハウスで会談し、レアアース(希土類)および重要鉱物に関する協定の合意文書に署名した。中国がレアアースの世界的な供給網に対する影響力を強める中、確保に向け連携を強化する。

両首脳が対面で会談するのは今回が初めて。トランプ氏は米英豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を支持すると同時に、オーストラリアへの原子力潜水艦引き渡しを加速させる考えを示し、中国の存在が大きく意識される会談になった。

レアアース・重要鉱物巡る協定に署名

トランプ氏は会談の冒頭、レアアースの合意について、4─5カ月かけて交渉を重ねてきたと説明。アルバニージー氏は、合意には日本とのプロジェクトも含まれると明らかにした。

双方が発表した合意文書によると、両国は向こう6カ月でそれぞれ10億ドルを採掘・加工プロジェクトに投資するほか、採掘業者が長らく求めてきた重要鉱物の最低価格を設定する。

ホワイトハウスが発表した声明は、総額530億ドルの重要鉱物鉱床が投資対象になるとしているが、鉱物の種類のほか、場所などの詳細には触れていない。トランプ氏は記者団に対し「約1年後には、どう扱っていいか分からないほど大量の重要鉱物やレアアースを保有することになるだろう」と述べた。

ホワイトハウスはこのほか、米輸出入銀行が両国間の鉱物プロジェクトに総額22億ドル超の資金供与を検討する文書を公表し、アラフラ・レアアースやノーザン・ミネラルズなど関連企業7社に送付されるという。

また、米国防総省は西オーストラリア州にガリウム精錬所を建設する。中国は昨年12月に米国向けのガリウム輸出を停止した。

トランプ氏、原子力潜水艦引き渡し加速を表明

トランプ氏は、インド太平洋における中国の影響力に抵抗することを目的とした米英豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に支持を表明し、オーストラリアへの原子力潜水艦引き渡しを加速させる考えを示した。

トランプ氏とアルバニージー首相は和やかに挨拶を交わし、会談が始まった。しかし、オーストラリアのラッド駐米大使が過去にトランプ氏を「史上最も破壊的な大統領」と批判したソーシャルメディアの投稿について記者団から質問されると、気まずい雰囲気となる場面もあった。ラッド氏は昨年終盤、これらコメントを全て削除した。

トランプ氏は、ラッド氏のコメントは認識していないとしつつも、同席していたラッド氏に対し「私もあなたのことが好きではないし、今後も好きになることはないだろう」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2025トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

インフレ期待横ばい、中東紛争の影響は織り込まず=N

ワールド

米国人67%がガソリン価格上昇を予想=ロイター/イ

ビジネス

GDP2次速報、10─12月期は年率プラス1.3%

ワールド

豪、中東へ軍用偵察機配備 UAEにミサイル供与へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目のやり場に困る」密着ウェア姿がネットを席巻
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ル…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 10
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中