中国が「再エネ覇権」へ チベット高原で超巨大ソーラーパーク、米国との差が鮮明に

中国・寧夏回族自治区にある太陽光発電産業パーク（1月3日）　Photo by Costfoto/NurPhoto

＜標高3000メートルに広がる世界最大級の太陽光発電所は、排出削減と増大するAIインフラへの電力供給の両立を可能にする習近平戦略プロジェクトだ＞

中国がチベット高原に、マンハッタンの約7倍の規模に相当する巨大な太陽光発電所群を建設している。

ニューヨーク・タイムズ（NYT）紙によれば、この施設は3年以内にマンハッタンの約10倍の規模に達する見込みであり、中国政府が進める再生可能エネルギーへの大転換を象徴している。

中国が段階的に運転を開始している「タラタン・ソーラー・パーク（塔拉滩太陽能発電所）」は、約420平方キロの広大な複合施設。中国は再エネへの移行を加速させることで、クリーンエネルギー分野の世界的リーダーとしての地位を確立しようとしている。

一方アメリカでは、ドナルド・トランプ政権がクリーンエネルギーへの支援を大幅に削減し、ネバダ州で計画されていた国内最大規模の太陽光発電プロジェクトを中止した。

気候変動やAIによる電力需要の急増が予想される将来にどう備えるか、インフラ整備の方向性は両極化している。

青海省共和県の標高約3000メートルに位置するタラタン・ソーラー・パークには、約700万枚の太陽光パネルが設置されている。高地特有の強く澄み切った直射日光を効率よく電力に変換し、最大で500万世帯分の電力量を生み出している。