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会社の資産を「勝手に現金化」して持ち逃げ...M&A急増の陰で「買い手が売り手を騙す」事例が続発

2025年10月3日(金)20時48分
山﨑卓馬(クロール日本支社長)
M&Aにまつわる詐欺的な取引の予防法

Maks_lab/Shutterstock

<M&Aの件数が過去最高となるなかで、目的を偽った詐欺的な取引の被害にあう「売り手」企業が急増している。被害を防ぐために必要な手立てとは?>

いま日本ではM&Aが花盛りだ。

2024年度の統計によれば、日本におけるM&Aの件数は前年比11%の4704件を記録し、過去最高だった。M&Aの総額も22兆円に増えており、現在も増加傾向にある。また、海外企業による日本企業買収は、前年比2.6倍と急増している。

筆者はM&Aにおいて企業インテリジェンスに関する情報取得を数多く受けているが、最近感じるのは、買い手が売り手を調べるのではなく、売り手が買い手を調べる依頼が増えたことだ。

理由は2つある。

一つは、一般の商取引では考えられない話だが、M&Aの世界では買い手が売り手を騙すケースが発生しているからだ。M&Aでは、売り手と買い手には情報の非対称性があり、当然ながら買い手より売り手の方が自社の情報を把握しているのだが、売り手が騙されるのである。

なぜか。

一つには、後継者不足の問題がある。日本では、多くの中小企業で経営者の高齢化が進んでおり、「事業承継問題」が起きている。2024年の大手信用調査機関による調査では、日本企業の後継者不在率は52%に達しており、企業の半数以上が後継者を見つけることができていない。

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