ベトナムが重要インフラ投資に警察の承認を義務化? 法令順守コスト増加やプロジェクト遅延のリスクも
ベトナム公安省はエネルギー、通信、建設などの分野への投資について、警察の承認を義務付ける政令草案を公表した。写真はベトナム・ドン紙幣のイメージ写真。2017年5月に撮影(2025年 ロイター/Thomas White)
ベトナム公安省はエネルギー、通信、建設などの分野への投資について、警察の承認を義務付ける政令草案を公表した。治安強化と共産党の「絶対的指導」の確保を目的としている。治安当局の権限は大幅に拡大し、企業の法令順守コストが増大する可能性がある。
他の省庁は22日まで同草案に関する意見を提出できる。大幅な修正が不要と判断されれば、首相が署名し法令として施行される見通しだ。
ベトナムでは現在、多くのの開発プロジェクトで限定的なセキュリティーチェックしか実施されておらず、警察の役割は主に助言にとどまっている。新規則の適用範囲や、将来のプロジェクトのみに適用されるのかは明らかでない。
公安省は今回の改革により、原子力発電所、外国が関与する通信・衛星サービス、港湾、油田など、幅広い重要インフラの開発プロジェクトを安全保障上の観点から審査する権限を得る。また、工業団地やゴルフ場なども同省の承認が必要になる。
草案によると、公安省は警察組織の支援を受け、海外投資家が関与する案件も含めて、安全条件が満たされているかを確認する。外国援助プロジェクトを監督・検査する枠組みも導入する。
ベトナムに拠点を置くある法律コンサルタントは、この政令は事実上、警察にプロジェクトに対する拒否権を与えると指摘する。一部の企業は法令順守コストの増加やプロジェクトの遅延を懸念しているという。
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