中国経済を上向かせる起爆剤に? 高齢者市場を狙った「シルバー経済」を中国政府が強力に後押し
「シルバーテック」で高齢者に優しいサービスを
エコノミストらによれば、中国はこの40年間で急成長した結果、現在の高齢世代は十分な水準の貯蓄があり、極めてつつましく暮らしたさらに年齢の高い世代よりも自由に消費できるようになっているという。
調査会社ユーロモニター・インターナショナルのデータによると、世帯主が60歳以上となる中国の家計部門の消費支出総額は15年から25年の間に129%増加したと見込まれており、人口全体の79%増を大きく上回る。ユーロモニターの上席マネージャー、ヤナ・ルード氏は「成熟した消費者層は数が増えているだけでなく、消費額を大幅に増やしている」と話した。
高齢者世帯は平均すると若者世帯よりも消費額が少ないが、集計すれば大きな存在感がある。高齢者世帯の支出の伸び方は顕著になる見通しで、ユーロモニターの予測によると、60歳以上の消費総額は25―40年の間に3倍超に拡大し、人口全体の136%増を大幅に上回ると見込まれる。60歳以上の消費は40年までに中国の消費支出全体の34%を占め、現在の24%から拡大すると推定されている。
創業100年という老舗の宝飾品大手の老鳳祥(ラオ・フォン・シャン)は高齢の消費者に狙いを定めている中国企業の1つだ。6月に人工知能(AI)搭載の老眼鏡を発売し、「シルバーテクノロジーに参入した」と宣言した。この老眼鏡は薬品のラベルやレストランのメニューのような小さな文字で書かれた印刷物を読みやすくし、道に迷った時に手助けしたり、「感情のこもった対話」で話し相手になる音声機能が使える「高齢者に優しい体験」ができるという。